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[MOM1826]京都橘GK矢田貝壮貴(3年)_勝たせる守護神、「みんなと」守って圧巻の完封劇

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.27 全国高校総体1回戦 岡山学芸館高 0-3 京都橘高 東広島運動公園陸上競技場]

「1対1は得意というか、止められる自信が凄くある。(至近距離からのシュートも)その範囲に入ってきたら、とりあえず体に当てられるんで。そこも凄く自信があります」。京都橘高は183cmの守護神、GK矢田貝壮貴(3年)の良さが最大限に発揮される試合となった。

 先制した直後の前半31分、味方のミスによって自陣でインターセプトされて岡山学芸館高MF野島奨に決定的な左足シュートを打ち込まれたが、反応良く右へ跳んでセーブ。この後もPAへ持ち込まれての決定的なシュートやDFの背後を取られての1対1などピンチは少なくなかった。だが、矢田貝が何度も何度も岡山学芸館の前に立ちはだかる。1-0の後半31分に至近距離から放たれたヘディングシュートも反応。このシーンは直前に相手のファウルがあったが、どんなボールも京都橘のゴールには入れさせなかった。

 相手の驚異的なロングスローが初めて放り込まれたシーンも矢田貝は好セーブ。「(1本目はDFラインの選手たちも)分からないことなので、そこで自分が止めないといけないですし、そういうところでチームを救えるGKになりたい」というGKが見せたチームを勝たせるプレーの連続だった。

 1年時からゴールを守ってきた矢田貝だが、タイプの違うGK西川駿一郎の台頭もあって今春は先発を外れる試合が増えた。だが、ベンチから見る絵が自分の欠点、外れている理由を教えてくれた。「自分何が悪いんやろ、試合でもやらかしてないんやけど、と思っていたんですけど、下げられて外から見た時に自分はここが足りてなかったんだと改めて感じれたんで、それが大きかった」

 1年時からゴールを守ってきた矢田貝は今年、「自分が」という思いが強すぎたという。結果も出さないとならないという責任感が自分のプレーを空回りさせていた。DFと連係してどうゴールを守って、どう処理するのかという部分が欠けていた。だが、その課題を改善。自分一人で守るのではなく、「みんなと連係とって戦えるようになりました」ことが、自分を一回りレベルアップさせた。その上でこの日は「1対1とか特長が出た」と米澤一成監督。チームとともにゴールを守り、最後の局面で守護神の役割を果たした矢田貝の活躍が京都橘を2回戦へと導いた。

(取材・文 吉田太郎)
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