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[MOM1834]青森山田FW鳴海彰人(3年)_得点ランク単独首位!エースの真価示すパワーショット

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.31 全国高校総体準々決勝 青森山田高 2-1 米子北高 広島広域公園第一球技場]

 試合を動かしたのは「エースの一撃」と言うほかない、見事なシュートだった。米子北高のペースで前半を終えた準々決勝の後半、何気ない場面から先制点は生まれた。相手にカットされかけてこぼれたボールをゴール前で拾った青森山田高FW鳴海彰人は、ボールをコントロールすると、右足を力強く振り抜いた。

「低く、速く打つことを意識した」という一撃は、弾丸のような勢いでゴール右へ一直線。相手GKの手を弾き飛ばしてネットに突き刺さった。米子北のエースFW伊藤龍生は「やられる感じはしていなかったのに、シュートがすごかった」とうなり、敵将である城市徳之総監督も「あれが、プリンスリーグ中国で戦っている私たちと、(1つ格上の)プレミアリーグで戦っている相手との違い。青森山田がプレミアでも上位にいるのは、点を取れるから。一瞬を逃さずに決めて来るところは、さすが」と脱帽だった。

 スポーツ万能の両親の下で生まれ育ち、小学生の頃からシュート力を自慢の武器としていたが、高校に入ってからは筋力トレーニングを行い、さらにパワーを上げて来た。鳴海は「もう少し弱かったら、GKに外へ弾かれてしまったと思う」と、努力の成果でもある一発の手ごたえを話した。

 青森山田の黒田剛監督が「身体能力やスピードは、群を抜いている」と評価するストライカーは、相手GKとDFの間に飛び込んでゴールを奪うプレーが得意だ。しかし、この日のようにDFとMFの間からでもパワーショットで相手を脅かすことができる。鳴海は「いろいろな武器があった方が、相手は抑えにくくなる」とニヤリ。持ち前のスピードやパワーの使い方を磨いて来た成果が実りつつある。

 また、この日はチームの2点目をアシストした。2年生だった昨季から先発で起用され、強い責任感の中で、一つひとつのプレーの質を上げて来た成果は、多面的に発揮されており、プレーの幅も確実に広がっている。鳴海は、今大会の通算得点を7に伸ばし、一気に5得点を挙げた1回戦以来、得点ランクの単独首位に立った。プレミアリーグでは9試合で2得点と思うようにゴールを奪えなかったが、初戦の5得点から勢いに乗っている。今大会は、得点を挙げながら、チームとしても全国4強入りと躍進。チーム、個人でのダブルタイトル獲得も見えて来た。11年ぶり2度目の優勝を目指す青森山田にとって、悲願成就のためにはエースストライカーの活躍が欠かせない。

(取材・文 平野貴也)
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