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[総体]市船のため「身を粉にして」働き続けたMF阿久津、主軸としての優勝をステップに

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[8.2 全国高校総体決勝 市立船橋高 1-0 流通経済大柏高 Eスタ]

 背番号6の献身は市船の支えだった。3年ぶり9回目の頂点に立った市立船橋高のMF阿久津諒(3年)は「自分はそんな目立つ選手じゃないんで、チームのために身を粉にして働くことができればいいと思います」。本人も認める通り、決して目立つ存在ではなかった。だが、運動量多くポジショニングを取って相手のパスコースを消し、献身的な挟み込みや球際の攻防の部分でタスクを全う。攻撃面でも正確にビルドアップに関わりながら、準決勝ではループシュートを放って見せたり、またスペースへのパスを通すアイディアと技術を発揮するなど相手にとって嫌な選手であり続けた。
 
 これまでは期待されながらもなかなか壁を破ることができなかった。だが今年になってポジションを奪取して一本立ち。今大会のパフォーマンスに関してスタッフ陣は大会優秀選手選出が見送られたことを残念がっていたほどだ。大一番となった関東一高との2回戦以降は、ケガによって後半開始からの出場となった準々決勝を除くと、フルタイムで試合に出場し続けて優勝の陰の立役者となった。

「高だったり、金子の支えがあってここまで来れたんで高とかには感謝しています」とともに中盤を構成した仲間たちに感謝。6試合1失点の堅守で優勝した一方、チームの得点数が伸びなかったことについては責任を感じている。「点を取ることに関しては前の選手だけじゃなくて、ボランチだったり、SBの選手がもっと絡んでいかないといけない。もっと絡んでいきたい」と口にした。

 献身のMFは優勝をステップにさらなるレベルアップを狙う。「率直に嬉しいですけど、ここで優勝しちゃったんでマークもキツくなる。レベルアップしてプレミアや選手権に臨みたい。(選手権は)まずは全国出場を決めて、出場を決めたらまた日本一を取れたらなと思います」と次の目標達成を誓った。

(写真協力=高校サッカー年鑑)

(取材・文 吉田太郎)
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