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[総体]どこよりも力強かった流経大柏、紙一重の差で敗れるも大きな経験積んだ5試合に

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[8.2 全国高校総体決勝 市立船橋高 1-0 流通経済大柏高 Eスタ]

「いい経験をさせてもらった」。千葉ライバル対決で競り負けて準優勝に終わった流通経済大柏高の榎本雅大監督代行は一戦一戦成長を遂げた選手たちを讃えた。

 今季は高円宮杯プレミアリーグEASTで開幕6連敗。最悪のスタートを切りながらも、選手たちは自分たちで輝きを取り戻した。連日気温30度を大きく越えた酷暑の広島で伝統のハイプレスを全う。チームに絶対的な存在がいた訳ではない。だが、先発メンバーを入れ替えながら登録17人全員で戦ったチームは準決勝までの4試合中3試合を1点差、残り1試合はPK戦での勝利という1点勝負の戦いを粘り強く勝ち上がって決勝切符をもぎ取った。

 決勝では主軸のMF関大和(3年)とFW古谷三国(3年)が累積警告のために出場停止。それでも敵将の朝岡隆蔵監督が「もう少し何とかしたかったけれど、何ともならなかった」と評した攻守にパワフルなサッカーでV候補を押し込んだ。ゲーム主将のMF本田憲弥(3年)やMF宮本優太(2年)がセカンドボールを献身的に回収。前半終了間際に失点したものの、前への圧力は後半も衰えず、U-16日本代表CB関川郁万(1年)や交代出場のFW河西守生(3年)が決定的なヘディングシュートを放ち、試合最終盤には4本、5本と連続でセットプレーを獲得してあわやのシーンをつくり出した。

 紙一重の差で敗れたものの、最悪のスタートを切ったチームは夏の5試合を経てどこよりも力強いチームになった。今大会、帯同しなかった本田裕一郎監督に代わって指揮を執った榎本監督代行は表彰式に臨む選手たちの姿を見ながら「ああいう(市立船橋が喜ぶ)姿を一番近くで見て。いいんじゃないですか」。まだまだ発展途上のチームは悔しさを糧にさらなる成長曲線を描くか。まずプレミアリーグEASTの最下位からの巻き返しに全力投球。そして選手権では必ずライバルにリベンジを果たす。

(写真協力=高校サッカー年鑑)

(取材・文 吉田太郎)
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