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“耐え切れなかった”日本 手倉森監督「心理的に慌て出した」

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[8.4 リオデジャネイロ五輪 B組第1節 日本 4-5 ナイジェリア マナウス]

 耐えて勝つ――。リオデジャネイロ五輪日本代表の手倉森誠監督が、繰り返し使ってきた言葉だ。

 五輪本大会を勝ち抜くためには、相手の攻撃を体を張った守備で耐え抜き、縦に速い攻撃から隙を突いて仕留める。チーム立ち上げから継続してきたスタイルであり、そのスタイルでアジア最終予選を勝ち抜いてきた。何よりも重要なのは失点を防ぐこと。しかし、手倉森ジャパンの生命線とも言える守備が、ナイジェリア戦では崩壊した。

 指揮官は前日会見で「先に点を取らせない」ことをキーポイントに挙げていた。だが、開始わずか6分で先制点を献上し、いきなりゲームプランは崩れる。同9分にFW興梠慎三(浦和)のPKで同点に追い付くが、同10分には再び失点。それでも同11分にMF南野拓実(ザルツブルク)がネットを揺らして、ナイジェリアに食らいつく。

 試合開始11分で2点を奪い合う手倉森ジャパン“らしくない”展開になったが、スコアは2-2の同点。その後は守備ブロックを敷いてナイジェリアの攻撃を耐えしのぐ、いつも通りの姿を見せ始めたが、前半終了間際の前半43分に勝ち越しゴールを奪われてしまう。手倉森監督は「あそこで2-2で帰ってこないといけない。2-2で帰って来るチームはずだった」と唇を噛んだ。

 後半に入っても負の連鎖は止まらず。後半6分、同21分に失点。“耐えて勝つ”をキーワードに大会に入ったチームは4得点を奪いながらも、まさかの5失点で初戦を4-5で落とした。「相手の攻撃に自分たちで対策を持つ前に心理的に慌て出し、耐えきれずに簡単に点を取られたことに対して引きずらせてしまった。与えた失点が多過ぎた」。

 第2節コロンビア戦は中2日で迎える。「次に引きずらせない。しっかりと受け止めて、今度負けたら終わりだという危機感を持ち、たくましさ、挽回力を見せたい」と語ると、「やっぱり、耐えて勝つというのをやっていくしかない」と次戦こそ“らしい”戦いで白星をつかみ取る。

(取材・文 折戸岳彦)

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