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「変に動かなかった」FW浅野、“気持ち”で突き刺した2戦連続弾

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[8.7 リオデジャネイロ五輪 B組第2節 日本 2-2 コロンビア マナウス]

 手倉森ジャパンでの役割はジョーカー。後半途中から投入されて試合の流れを劇的に変える貴重な駒として、アジア一次予選、そして最終予選を戦ってきた。しかし、負ければグループリーグ敗退が決まる崖っぷちの状況で迎えたコロンビア戦で、リオデジャネイロ五輪日本代表FW浅野拓磨(アーセナル)はスターティングメンバーに名を連ねた。

 間違いなく脅威になっていた。抜群のスピードを武器にコロンビア最終ラインの裏を幾度となく突き、ルーズボールには体を強引に入れて奪い取ろうとする。五分五分のボールに浅野が一気の加速で近寄れば、慌てた相手はとりあえずクリアするしかなかった。

「本当に僕らは勝つしかなかった。皆が持っている力をピッチの中で100パーセント、もしくはそれ以上発揮できていたんじゃないかと思う」

 そして、2点のビハインドを背負って迎えた後半22分には2試合連続ゴールを叩き込む。MF大島僚太(川崎F)が縦パスを打ち込むと、ボールを受けたMF南野拓実(ザルツブルク)が柔らかいパスを浅野へと通す。「拓実が中で良い状態でボールを持っていたので、自分は変に動かなかった。良いボールをくれたので、あとは気持ちだった」。

 その言葉のとおり、気持ちが入っていた。南野からボールを受けた浅野は、「特にコースは狙っていない」とコースを狙うというよりも、「ゴールも近かったし、強く打ったら入る」と左足を強振してゴールネットに突き刺す。反撃の狼煙を挙げる得点を奪って勢いをもたらすと、同29分にMF中島翔哉(FC東京)が同点ミドルを叩き込み、チームは決勝トーナメント進出への望みをつないだ。

(取材・文 折戸岳彦)

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