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「五輪に出たくて仕方なかった」 ヤングボーイズ久保、地元紙で心境を明かす

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シャフタール戦は自身のベストゲームと手応えも

 ヤングボーイズFW久保裕也がスイス『ベルナ―・ツァイトゥング』で、リオデジャネイロ・オリンピックに出場できなかったことへの想いを明かした。

 オリンピック不出場が決まった久保は3日、チャンピオンズリーグ(CL)予選3回戦セカンドレグのシャフタール・ドネツク戦で2ゴールを決め、チームを予選プレーオフへと導いた。この活躍に、『ベルナ―・ツァイトゥング』から特集を組まれている。

 地元紙の記者によると、「日本では距離を保つことが大事とみられます」と話した久保は、流暢なドイツ語で取材に応じたという。22歳の若きストライカーは、非常にフレンドリーな様子ながら、シャイな側面ものぞかせたそうだ。

 2013年夏に京都サンガから加入した久保は、「ヨーロッパに向かうことは僕にとって大きな変化を意味しました」「ここの文化はあらゆる面でまったく日本の文化とは異なりますからね」と、適応に苦労してきたことを認めている。

 それでも、久保はヤングボーイズで公式戦117試合に出場し、これまで30ゴールを記録してきた。そしてシャフタール戦での活躍。大人しい性格とされる久保も、ベンチに駆け寄ってチームメートとゴールを祝い、喜びを爆発させた。「いつもはこうではないのですが、非常に感情的な日々だったため、すべてがこみ上げました」。

 チームメートのFWアンドレアス・ゲルントが負傷したことで、ヤングボーイズは久保のオリンピック派遣を撤回した。久保はオリンピック出場が「数年前に始まったプロジェクト」であり、「日本ではオリンピックのサッカーが非常に重視されており、僕も本当に出たくて仕方なかった」と胸中を吐露。仲間の試合をテレビ観戦することになり、「何もできずに見るのは辛い」と漏らした。

 だが、久保は気持ちを入れ替えたようだ。ヤングボーイズでの「ベストゲーム」だったと、シャフタール戦に確かな手応えも感じている様子。「クラブにとっても、僕にとっても、最高な夜でした」。

 ヤングボーイズは10日にスイス・スーパーリーグ第4節でバーゼルとアウェーで対戦し、16日のCL予選プレーオフ・ファーストレグでボルシアMGをホームに迎える。久保は「大事な試合、興味深い試合」になると意気込んだ。

 5月、クラブとの契約を2020年まで延長した久保は、「マイスター(リーグ優勝者)になりたい」と野心をみせつつ、「バーゼルがすごく安定しており、僕たちはルガーノ戦のような取りこぼしがまだ多すぎます」と課題を指摘している。

 だが、不利と予想されるバーゼル戦やボルシアMG戦に向け、久保は「それぞれのスタジアムが満席状態で、たくさんのものが懸っているだけに、楽しみにしています」と述べた。プレッシャーがないことが、逆にチームにとって追い風になると考えているかもしれない。

 将来的なA代表招集にも期待を寄せる久保は、憧れているリーグがセリエAであることも明かしている。いつの日かプレーしたいクラブは「インテル、ユベントス、ミラン」。『ベルナー・ツァイトゥング』は、シャフタール戦での活躍をボルシアMG相手にも繰り返すことができれば、その夢がかなうのもそう遠くないと伝えている。

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