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[SBS杯]守りに重き置いた静岡ユースはU-19スロバキア代表完封も、PK戦で敗れる

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[8.11 SBS杯国際ユース第1日 静岡ユース 0-0(PK4-5)U-19スロバキア代表 藤枝総合]
 
 U-19日本代表、U-19スロバキア代表、U-19コスタリカ代表、そして静岡ユースの4チームが優勝を争う2016 SBSカップ国際ユースサッカーが11日、藤枝総合運動公園サッカー場で開幕。開幕試合では地元・静岡県内の高校生で結成された静岡ユースがU-19スロバキア代表が対戦し、0-0で突入したPK戦の末に4-5で敗れた。

 静岡はCB立田悠悟(清水ユース)を中心とした5バックを形成。5-4-1システムで1年代上の世代であるU-19スロバキア代表を迎え撃った。前半はスロバキアがボールを握って押しこむ展開。静岡はPA近くで立田やDF下口稚葉(JFAアカデミー福島U18)、DF森岡陸(磐田U-18)がボールを奪って攻撃に繋げようとする。8分にはMF梅村豪(清水ユース)とのワンツーからMF清水颯人(JFAアカデミー福島U18)が距離の長いスルーパス。これに右MF望月陸(清水ユース)が決定的な形で走りこんだが、飛び出したGKに阻まれて先制することはできない。

 DFラインを低く設定した静岡をスロバキアが押し込み続けたものの、静岡の我慢強い守備によって決定打を放つまでには至らず。互いにシュートシーンを増やせないまま前半を終えた。後半、静岡はトップに入ったFW久米皓次郎(磐田東高)が積極的なプレー。PAに近づくシーンもわずかだった前半に比べ、徐々に空いたスペースにショートパスを通すシーンを増やしていく。22分には右サイドへ抜け出したスロバキアFWパヴォル・ベラスの右足シュートを静岡GK山ノ井拓己(静岡学園高)がセーブしてガッツポーズ。静岡は立田が相手の長身アタッカーとの空中戦を競り勝って会場を沸かせるなど、相手のロングボールを跳ね返し続けて80分間を無失点で終えた。

 その守備面については廿日岩亮監督(浜松湖南高)も「ほぼプランどおりに行ったので満足している。守備に関してはゲームの中で怖さはなかった」と振り返ったが、攻撃面については「選手たちの個性を出す場面を増やせられれば良かった。怖がらずにボールを回す狙いがあった。攻め急がずにボールを動かせればもうちょっとチャンスがあったと思う」と指摘。慌てて攻めたところでボールを奪われる回数が多かったことを残念がっていた。

 静岡は後半31分にパス交換から久米の放った左足シュートがGKの手をかすめてポストを叩いたが、それ以外は相手の背後へ通そうとしたパスがミスとなるなど、シュート3本で無得点に終わった。0-0で突入したPK戦では1人目の清水颯から4人目のMF若山修平(静岡学園高)までが成功したものの、5人目の下口の右足シュートがクロスバーを叩いて4-5で敗れた。スロバキアのミラン・マラチンスキー監督から「とてもいいプレーヤーがいっぱいいる」と讃えられた静岡だが、チャレンジする回数も少なく、残念な黒星発進。廿日岩監督は12日のU-19日本代表戦へ向けて「きょうは十分に“静岡らしさ”を見せられなかった。もっと技術を見せていきたい。もっともっとできると思います」とよりテクニカルな“静岡らしい”サッカーで勝利することを期待していた。

[写真]後半31分、静岡ユースは久米がポストを叩く左足シュート

(取材・文 吉田太郎)

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