beacon

[MOM1844]綾羽FW西尾和真(3年)_「エースの差」で敗れた全国糧に、注目FWが「取り切る」力示して2得点

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.16 ADIDAS CUP 2016 in OSAKA 綾羽高 4-0 佐野日大高 J-GREEN堺]

 夏冬連続の全国を目指す綾羽高のエースFW西尾和真(3年)が、意識の変化を結果に繋げた。FW菅河玄我と2トップを組んで先発した西尾は前半8分、MF藤田昂陽との連係によって菅河の先制点を演出。その後も持ち味である前線で起点となるプレーを繰り返していたが、特に光っていたのはターンして自らゴールへ向かう動き。そこからのラストパスで決定機を生み出し、シュートも放った。
 
 前半アディショナルタイムには左CKから3点目となるヘディングシュート。そして後半6分には、前線へのボールに競り勝って頭で触る。すると、ゴール方向へ落ちたセカンドボールに誰より速く反応して拾い、独走。そのまま右足でゴールを破った。「(岸本)監督からも先に触るということを徹底的に言われている」というFWは競り合いでDFよりも先にボールに触れたが、「変わった」のはその先の部分。競り勝った西尾はすぐさまDFを振り切ってボールへ向かい、シュートまで完遂した。「今までだったら(競った後のセカンドボールを)人に任せていた。自分でゴールに行く課題があったから自分で行った」。その姿勢が2点目のゴールをもたらした。

 変わるきっかけとなったのは星稜高との全国高校総体1回戦。綾羽は試合終了間際に相手エースFWの窪田翔に決勝点を奪われて0-1で敗れた。「同じ10番でボクはシュートゼロでシュートの貪欲さだったりは負けていたと痛感した」と西尾。1点勝負を落とした星稜戦について、西尾は「エースの差」で敗れたと感じている。だからこそ、課題を持ってよりゴールを奪うために取り組んできた。

 岸本監督もサイド攻撃に破壊力のあるチームの攻撃の幅を広げるために、カウンターなどから2トップでゴールを奪い切る部分を求めている。大会初日は無得点。それでも「昨日も後ろ向きに受けた場面があって、ゴールに向かえば打てたけれど下げてしまった。出したあとに後悔してしまって。打って後悔した方がいい」と切り替えたこの日は「シュートをより多く打つ、ゴールに関わる回数増やすということを課題にもってやっていた。今日に関してはできた」と納得の内容で2得点を挙げた。

 滋賀を代表するエースだが、得点数の少なさが影響してか高い評価を勝ち取ることができていない。「インターハイ予選も2点しか取れていない。近畿大会は3点。まだまだ自分の名を広めることや貪欲さは足りない。選手権では悔しさを晴らす。得点を絶対に取ることに意識を傾けてやっていきたい」。武器であるボールを収める部分とスピード、そしてよりゴールへ向かう姿勢を合わせて、チームのために「苦しい時にマイボールにしてあげてゴール前で取り切る」選手になる。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
【特設ページ】ADIDAS CUP 2016 in OSAKA

TOP