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[UAチャレンジカップ]大会選抜チームが決勝後に特別マッチ、いわきFCを追い詰める熱戦に

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「アンダーアーマーチャレンジカップ2016 SUMMER」は19日、大会最終日を迎え、仙台育英高(宮城)の優勝で幕を閉じた。閉会式後、出場8チームから各2名ずつ選んだ計16選手による大会選抜チームを発表。アンダーアーマーの全面サポートを受ける福島県2部リーグ所属のいわきFCとのエキシビションマッチが開催された。

 試合は30分1本で行われ、0-0だったが、スタンドの観客も大いに盛り上がる熱戦となった。いわきFCのシニアアドバイザーを務める元日本代表の金田喜稔氏が監督を務めたアンダーアーマーチャレンジカップ(UACC)選抜チーム。システムは4-2-3-1で臨んだ。

 GK鈴木大輝(湯本3年)、4バックは右からDF田邉大樹(浦和東3年)、DF穐元英明(郡山商3年)、DF高橋隼(東北2年)、DF岩谷拓汰(明秀日立2年)と並んだ。中盤はDF吉川樹(聖光学院3年)とMF佐藤圭太(仙台育英2年)がダブルボランチを組み、右にMF松本巧(浦和東3年)、トップ下にMF半田雄哉(山形城北3年)、左にMF兎澤聖矢(仙台育英3年)。FW後藤隼汰(東北3年)が1トップを務めた。

 前半15分には5人が交代。後藤に代わってFW青木汰百(聖光学院3年)、半田に代わってMF津村夢人(明秀日立1年)、兎澤に代わってMF長尾翼(郡山商3年)、穐元に代わってDF芳賀昂太(湯本3年)、田邉に代わってDF奥山翼(山形城北3年)がピッチに入った。

「日本のフィジカルスタンダードを変える」という理念を掲げるいわきFCの選手たちと激しくぶつかり合ったUACC選抜チーム。センターバックでフル出場した高橋は「フィジカルにはちょっと自信があったけど、当たりに行っても相手は全然ブレなくて、体幹がすごいなと思った」と、フィジカルの違いに驚いたという。

 急造チームという難しさもあったが、「ディフェンスの選手だけでも名前を覚えて、しっかりコミュニケーションを取ろうと思った」(高橋)と、試合の中で積極的に声をかけ合った。26分のピンチにはGK鈴木がビッグセーブ。最後までゴールを許さなかった。

 1トップで途中出場した青木は「即席チームだからといって、コミュニケーション不足で負けるのは嫌だった」と話す。「積極的に声を出して、全力で楽しもうと思ったし、コミュニケーションを取ることで試合も楽しくなった」と、選抜チームとは思えないコンビネーションも徐々に出始めた。

 27分には青木からの絶妙なスルーパスに長尾が反応。左サイドからPA内に走り込み、右足でシュートを打ったが、GKアンドレ・クルルのファインセーブに阻まれた。「ボールを奪ってからの早い展開で、勢いよく飛び出した。決まったと思ったけど、コースが甘かった」。そう悔やんだ長尾だが、体格でまさる相手に対しても「自分はフィジカルもないし、スピードもない。なるべく当たらないように、ボールの置きどころに注意してプレーした」と、頭を使って左サイドからチャンスを演出。アディショナルタイムには積極的な仕掛けからゴール前でファウルをもらった。

 正面やや左という絶好の位置からのFK。吉川が右足で狙ったが、惜しくもクロスバーを直撃した。「少ないチャンスだったし、あの時間に決めることができたら大きい。大事に蹴ったけど……」。あと一歩のところで金星は逃したが、試合終盤はいわきFCに走り負けない高校生のはつらつとしたプレーにスタンドも大盛り上がりだった。「試合をやっているうちにチームが一つになってきて、チームワークもいい感じだった。最後は楽しくできた」と吉川。大会を通じて激戦を繰り広げたライバルたちとの“共闘”は新鮮かつ刺激的だったようだ。

(取材・文 西山紘平)

●アンダーアーマーチャレンジカップ2016 SUMMER

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