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120分間の激闘も走り負けなかったいわきFC、高野「勝てる試合だった」

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[8.21 福島県選手権決勝 福島2-1(延長)いわきFC あいづ]

 試合終了の瞬間、ピッチに大の字に倒れ込んだ。Jクラブをあと一歩まで追い詰めながら延長の末、1-2の惜敗。いわきFCのDF高野次郎は「結果として勝てなかったことが一番悔しい」と唇をかんだ。

 起死回生の一撃だった。0-1で迎えた後半41分、左サイドのスローインからゴール前のFW菊池将太がつなぎ、高野がゴール前に抜け出す。GKと1対1になると、「あの場面は落ち着いていた」と冷静に左足でゴール右隅に流し込んだ。

 後半25分過ぎの給水タイム後、ピーター・ハウストラ監督の指示でCBから最前線に上がった高野。いわきFC入団時、72kgだった体重は76kgに増えるなどフィジカル面はより強化され、この日も当たり負けすることなく、菊池との2トップが福島守備陣に圧力をかけ続けた結果の同点ゴールだった。

 延長戦に入ると、福島の選手が次々と足をつり始める中、「うちの選手は一人もつっていなかった。そこは徹底してやっているし、トレーニングの成果」と走り負けることもなかった。しかし、延長前半9分に勝ち越しを許し、その後の反撃も不発。延長後半4分には右クロスから高野がヘディングシュートを放つ場面もあったが、GKの正面を突いた。「勝てる試合だったと思うし、悔しいという言葉しかない」。勝負どころでの地力の差。そこがJクラブとの経験値の差だったのかもしれない。

(取材・文 西山紘平)

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