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[全中]「サッカー選手になるようにという名前」青森山田3連覇の主将はMF武田英寿

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[8.25 全中決勝 青森山田中4-0暁星国際中 富山陸]

 強行出場だった。青森山田中(青森)の主将MF武田英寿は、大会直前の合宿中に接触プレーで右ももを負傷。治療を続けながら大会に参加していたが、準決勝の吉岡市立吉岡中戦で同箇所を激しく強打。後半早々に途中交代を余儀なくされていた。

 交代時には涙を見せていた武田。ただ「絶対に試合に出たかった」という思いを叶えるべく、試合後、そして決勝戦当日の朝も接骨院で治療を試みた。その甲斐あって、決勝・暁星国際中戦のスターティングラインナップに背番号10は当たり前のように名前を連ねることができた。

 勝負強さも見せた大会だった。初戦の常葉橘中戦では、相手に先制点を許す苦しい展開を強いられた。しかし後半23分にゴール前でFKを獲得すると、武田は直接突き刺して、チームの窮地を救う。決勝でも勝利を決定づけるPKを決めるなど、ここぞという場面でしっかり役割を果たした。

 武田はタレント軍団だった昨年もメンバー入りしていた。「去年との違いはみんなを引っ張っていかないといけない立場だったことです。頑張りました」。それまで先頭に立って何かをするというタイプではなかったというが、上田大貴監督もチームMVPに指名し、今大会での成長に目を細めた。

 武田英寿。サッカー好きなら元日本代表の中田英寿氏の名前が連想されるはずだ。「親がサッカーが好きなので、中田さんの名前を貰って付けたと聞きました。サッカー選手になるようにという名前だと感じています。だから頑張んないといけない」。周囲の期待も感じている。夢は海外でプレーすること。夢に一歩でも近づけるように、武田は青森の地で鍛錬を続ける。

(取材・文 児玉幸洋)
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