beacon

東京V高木善朗、二川から譲られたFKでアシスト&自らゴールも…二度のクロスバー直撃を反省

このエントリーをはてなブックマークに追加
[8.27 天皇杯1回戦 VONDS市原1-2東京V 味フィ西]

 10番が仕事を果たした。東京ヴェルディは27日に行われた天皇杯1回戦でVONDS市原に2-1で勝利。1得点1アシストしたのはMF高木善朗だった。全得点に絡む活躍をみせただけでなく、クロスバーを直撃するシュートを二度も放つなど好調ぶりを示した。

 先制点が生まれたのは前半26分、カウンターから東京Vが右サイドでFKを獲得。キッカーを務めたのは、この日ここまでセットプレーのキッカーを担っていたMF二川孝広ではなく、高木善だった。

 FK獲得の直後、すれ違い様に二川から「善朗、蹴る?」と言葉をかけられた。「二さん蹴りなよ」と応じたが、36歳のMFは「(キックの)感触がよくないから」と“譲った”。冨樫剛一監督からは「潮音(井上)も含めた二さんと俺との3人で感触が良い人が蹴るように言われている」こともあり、高木善が蹴ることになった。

 冷静に右足から放たれたボールはゴール正面へ。飛び込んだFWドウグラス・ヴィエイラがヘディングシュートを決めた。「二さんと2人で見ていたら、“やけにあそこが空いているね”って話になって。蹴ったらドゥグが入ってきて、決めてくれて良かった。結果的に僕が蹴ったら良かった感じになったので」とアシストしたMFはハニかんだ。

 1-0と先制した後半8分に東京Vは追加点。高木善が自ら決めた。PA内右でキープしたドウグラスが外へ戻す。受けたMFアラン・ピニェイロが右クロス。相手のクリアがPA左へこぼれ、浮いたボールを冷静にコントロールした高木善が左足シュート。2-0と差を広げた。

「前半左サイドに流れてきたボールに上手く反応できていなかったので、なるべく触ろうと思っていたら相手が触って自分のところに来て。決められて良かったです」

 その後に1点を返されたが東京Vは2-1で逃げ切り、2回戦へ駒を進めた。1得点1アシストの活躍をみせた高木善だが、この日は後半36分、終了間際のアディショナルタイム4分には、クロスバー直撃のシュートを放っており、そこに“反省”もあった様子。

 「狙い通りのコースに蹴れてはいるので。でもちょっとした誤差があったりする。コースが甘くても、速いボールを蹴るとかしたほうがいいのかもしれない。感覚の問題ですね」と言い、「どうしても狙いすぎたというか、狙った結果がアレだった。思い通りのところに蹴るところに出来たのは良かったといえば良かったのですが……でも入ってないので良くはないですね」と頭をかいた。

「点を取れないより取れたほうがいいので。取れるシーンは他にもあった。そこは本当に自分の課題だし、あそこで取れていたらチームは楽になったと思う。そういう意味でちょっと納得いっていない部分はありますけど、アシストも得点もあったので、まぁ合格点かな」

 勝利した東京Vは9月3日に行われる2回戦で熊本vsFC.TOSUの勝者と戦い、勝ち進めば、その先で横浜F・マリノスと戦う可能性がある。J1クラブとの対戦を心待ちにする10番は「自分自身もそうだし、チームとしても、J1とやってどのくらいできるのか試したい。その機会は天皇杯しかないので。そういう機会を大事にしたい」と先を見据えた。

(取材・文 片岡涼)
●第96回天皇杯特設ページ

TOP