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4年前はベンチで「経験させてもらった」最終予選、宇佐美「今回はチームを勝たせていく」

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 くすぶっていたあの頃から、成長した姿を見せつける。再び海外組として日の丸を背負うことになった日本代表FW宇佐美貴史(アウクスブルク)は9月1日のW杯アジア最終予選・UAE戦(埼玉)、6日の同タイ戦(バンコク)に向け、「今までよりも少しピリピリしている。監督も全体の雰囲気もピリついてる感じがある」と、チーム内の緊張感を感じ取った。

 4シーズンぶりのドイツ復帰となった今季、27日のブンデスリーガ開幕節は後半37分からの途中出場だった。まだ先発の座はつかめていないが、「時間をかけて自分の力、地位、序列を上げていく。練習でも成長していくし、試合に出られるようになれば試合の中でも成長していく」と焦りはない。試合後はすぐさま帰国の途に就き、合宿初日の28日から代表の練習に参加している。

 宇佐美自身にW杯アジア最終予選の出場経験はない。ザックジャパン時代の12年11月にアウェーで行われたオマーン戦に招集されたが、出番はなし。ベンチから試合を見守った。「前に行ったときは“経験”させてもらった。今回はチームを勝たせていく。スタートからにせよ、途中からにせよ、自分がやらないといけないことは決まっている」。当時はホッフェンハイムに所属。20歳で挫折を経験し、G大阪に復帰してドイツに再挑戦するまでになった4年間の成長をゴールという形で証明するつもりだ。

 初戦の相手は、昨年1月のアジア杯準々決勝で敗れたUAEだ。当時、日本代表を率いていたハビエル・アギーレ監督時代には一度も代表に招集されなかった宇佐美だが、PK戦の末、敗れた試合を振り返り、「一発決められるまでは上回っていた。決め切るところで決め切ること、そこの質を上げれば、負ける相手ではない」と言い切る。

 ハリルジャパンでは過去17試合のうち16試合に出場(うち先発8試合)。だれよりも多くの試合に出ている矜持がある。「最終予選のような激しい戦いに慣れるために海外に出た。そういう意味では楽しみです」。ブンデスリーガ開幕を前に黒髪に染め直した宇佐美が“初体験”の最終予選に向けて気合を入れ直した。

(取材・文 佐藤亜希子)

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