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「普通はラインを越えたらゴール」判定に不満のハリル、矛先は身内にも…

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[9.1 W杯アジア最終予選 日本1-2UAE 埼玉]

 たまらずピッチ内に入った。PKで逆転を許したあとの後半23分、日本はFW宇佐美貴史が左サイドからドリブルでPA内に進入。DFイスマイール・アハメドに倒されたように見えたが、主審の笛は鳴らなかった。

「彼らはPKを吹いてもらって、我々も吹いてもらえるシチュエーションがあった」。試合後の記者会見で恨み節を漏らしたバヒド・ハリルホジッチ監督。直後にプレーが切れると、思わずフィールド内に立ち入り、カタール人のアブドゥルラフマン・アルジャシム主審からタッチライン際で注意を受けた。

 身振り手振りで異議を唱えた指揮官。レフェリーへの苛立ちを決定づけたのは後半32分のシーンだった。DF酒井宏樹の右クロスをFW本田圭佑が頭で折り返し、FW浅野拓磨が左足ボレー。下がりながらの対応となったGKハリド・エイサは左手で弾き出したが、その前にボールはゴールラインを越えているように見えた。

 しかし、副審はゴールの合図を示さず、主審も得点を認めない。「普通はラインを越えたらゴールだと思う」。記者会見では精一杯の皮肉を口にした。「我々はしっかり点を取った。しかし、受け入れられなかった」と唇をかんだ。

 明らかな誤審に日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「ハッキリ言って、おかしな判定も多かった。勝ち点がどうなるものではないが、しっかり抗議することで今後、レフェリーのレベルの向上にもつながる」と、アジアサッカー連盟(AFC)に抗議する考えを示した。

 ハリルホジッチ監督の怒りはチーム関係者にも及んだ。「私はだれが笛を吹くのか知りたいと常に要求していた。しかし、我々の関係者はだれも直前までだれが笛を吹くか把握していない体たらくだった。しっかり前もって知っていてほしかった」。指揮官は憮然とした表情で不満を隠さなかった。

(取材・文 西山紘平)

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