beacon

“W杯出場確率0%”からの逆襲誓う本田「逆に燃える」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 逆境に立たされたときこそ燃えるのが、この男だ。タイでの初練習を終えた日本代表FW本田圭佑(ミラン)は「逆に(最終予選の)初戦に負けて(W杯に)出た歴史がないことを聞かされると燃える。それだけ難しいことだろうけど、それを結果でみなさんに証明したい」と、胸を張って言い切った。

 1日のW杯アジア最終予選・UAE戦に1-2で逆転負けし、初戦を黒星で終えたハリルジャパン。アジア最終予選が現行のホーム&アウェー方式になった98年フランスW杯以降、過去5大会のアジア最終予選で初戦が黒星だったチームはすべて予選敗退に終わっている。“W杯出場確率0%”の黒星スタート。過去のデータだけを見れば、いきなり正念場を迎えたが、本田自身は「危機感としてはある」としながらも、過度に意識してはいない。

「僕らは前に進まないといけないし、0%なのでもう大会を棄権しますというわけにはいかないでしょ」。笑みをまじえてジョークを飛ばすと、「まだ9試合あるし、やるからには勝ちたい。(W杯に)出ないといけないという使命は感じている」と力を込めた。

「全部勝ちにいくつもりでやるしかない。とにかく自信を持って、ポジティブに次の試合に挑んでいきたい。プレッシャーは初めからある。今までにこれ以上のプレッシャーも経験してきている。正面からこのプレッシャーと向き合いたい」

 UAE戦後はあえて自チームに苦言を呈した。「(日本代表は)数値上はいい戦力がそろっていると思うけど、試合に勝つには数値だけで測れない部分もある。そこが欠けているのは間違いない。根本の気合、根性、足を一歩出してつぶすとか、負けず嫌いみたいなものが大事なところでは求められている」。メディアの前での忌憚のない発言は間接的にチームメイトに伝わることも想定してのものだ。

「意外にみんなニュースを見ているので、僕が何をしゃべってるか知っている選手もいると思う。すぐには変わらないけど、変わっていく努力をすることが大事だし、意識のところを変えないと何も変わらない。まずマインドを変える。そのきっかけを与えたい」

 初戦に負けたことで、良い意味でチームに危機感と自覚が生まれたことに期待している。「若手は若手で“引っ張られてばかりではダメだ”という責任感が芽生え始めると思う。それが日本代表だと思うし、そういう選手しか集まっていないとおかしい。それをピッチの上で表現して、結果として表さないといけない」。言葉ではなく、結果で示す。そのためにもまずは6日のタイ戦で最終予選初勝利をつかみ取る。

(取材・文 西山紘平)

●ロシアW杯アジア最終予選特集
●ロシアW杯各大陸予選一覧

TOP