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“タイのメッシ”を警戒する西川「相手のいいところはハッキリしている」

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 気持ちのいい汗を拭った。高温多湿のタイ・バンコクで初練習を終えた日本代表GK西川周作(浦和)は「思ったより暑くないというか、気温もそうだし、湿度もそんなに感じなかった。気持ちのいい気候だったかなと思う」と、いつものように笑みをたたえた。

 この日はGK3人でのトレーニング後、GK東口順昭とGK林彰洋がフィールド選手に混じって6対6のミニゲームに参加する中、「今日まではリカバリー中心」ということでエンヴェル・ルグシッチGKコーチと2人でランニングやストレッチなどで調整し、負荷を落とした。

「片言の英語」で新GKコーチとコミュニケーションを取りながら走っていたという西川。FKとPKで失点した1日のUAE戦(1-2)について「プレー自体はすごくよかった」という言葉をかけられながら、「FKをなぜ入れられたのか」も確認し合った。

「ボールが蹴られてから動くという動作ができていなかった。(キックを)読んでしまって、先に右側に一歩動いた分、反応が遅れた。動かなければ何の問題なく止められたキックだったと思う」

 最終予選におけるセットプレーの重要さは分かっている。「タイ戦でもセットプレーがあるかもしれないし、そこは初戦での失敗を生かせれば」と誓う。6日に対戦するタイの映像も個人で確認。警戒するのは“タイのメッシ”と言われるMFチャナティプ・ソングラシンだ。

「タイのメッシと言われている選手がいるし、左サイドをうまく使いながら攻撃してくるイメージ」。身長158cmと小柄ながらキレのあるドリブルで攻撃陣を引っ張る22歳は1日に敵地で行われたサウジアラビア戦でも2列目の左で先発していた。

「逆にそこを抑えれば、日本がボールを保持して試合を進められる。相手のいいところはハッキリしているので、そこはなくしていかないといけない」。気を付けるべきはカウンター。そこにはUAE戦の反省もある。

「前に速い選手がいるし、リスクマネジメントして、しっかりオーガナイズして戦いたい。(UAE戦でも)失点にはならなかったけど、(パスを)出されたらピンチの場面も何度かあった。そこはキーパーとしてディフェンス陣に要求しないといけない」

 西川自身、W杯アジア最終予選でゴールを守るのはUAE戦が初めての経験だった。意識しているつもりはなくとも、どこか普段とは違う部分もあったのかもしれない。「初戦を落として、より危機感も強くなっている。アジアでも簡単に勝てる時代ではないということを受け入れて、1試合1試合戦っていきたい」。日本の新守護神はあらためて表情を引き締めた。

(取材・文 西山紘平)

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