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「未知数」のタイを警戒する宇佐美「不気味な相手」

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 相手を過小評価することは決してない。6日のW杯アジア最終予選第2戦でタイ代表と対戦する日本代表。FW宇佐美貴史(アウクスブルク)は「タイに関しては僕は最初から弱い相手というイメージはまったく持っていない」と表情を引き締めた。

 タイはFIFAランキングではグループBの中で最も低い120位(日本は49位)。ライバルとなる5チームの中では最もくみしやすい相手と見られている。しかし、ここは高温多湿のアウェー。タイのクラブ(ブリーラム・ユナイテッド)とは昨季のACLでも対戦しているが、結果はホームで1-1、アウェーで2-1という接戦だった。「ACLでも経験済み。(代表チームは)未知数ではあるけど、不気味な相手だと思う」と警戒している。

「カウンターの鋭さがあるし、前線の10番(ティーラシン・デーンダー)にボールがおさまって、そこから2列目の選手が飛び出してくるサッカー。体格的に長身選手がいたり、全員がフィジカル的に優れていたりするわけではなく、それ以外のところで勝負してくるイメージ」

 すでにミーティングでもタイの映像は確認しており、その印象を詳細に語った宇佐美。1日のUAE戦(1-2)からの改善点についても明確なイメージを持っていた。

 UAE戦はMF清武弘嗣が左サイドで先発し、宇佐美は後半17分からの途中出場だった。ハリルホジッチ監督は「プレースピードが遅かったせいで香川を見つけることができなかった」と指摘したが、宇佐美自身、「距離が近すぎて、(香川)真司くんのスペースがなくなっていた」と、外で見ていた印象を口にした。

「(香川は)右よりも左に落ちてきたい選手。その幅を消すと、真司くんの良さが出ない。(左サイドの選手は)幅を持ったポジショニングというか、サイドで幅を持ちながら、(サイドに)張りっぱなしはよくないけど、外に張るのがメインで、サポートするときに中に入る感覚でもいいのかなと思う」

 左サイドは清武、宇佐美だけでなく、FW武藤嘉紀やFW原口元気も含めると、最も競争が熾烈なポジションでもある。それでも「仕掛けてから、細かいコンビネーションで崩していく部分は自分が一番あると思う。(選手の)チョイスは監督がするので、自分はイメージを持ちながら準備するだけ。負けている部分はないかなと思う」と、定位置確保へ自信も見せた。

 まさかの黒星スタートとなったW杯アジア最終予選。初戦で負けたチームは過去、W杯本大会に出場していないというデータもあるが、「1試合目に負ければ、いろんなところからの風当たりは強くなるけど、僕自身は気にしていない」と平然と言ってのけると、「ここを乗り越えられるチームでないといけないし、選手でないといけない。むしろチャンスという感覚でやらないと、チームとしての成長もない」と言い切った。

(取材・文 西山紘平)

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