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リオ世代の大島、浅野らに刺激…DF岩波「自分も続いていきたい」と決意

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[9.4 ルヴァン杯準々決勝第2戦 浦和 4-0 神戸 埼スタ]

 点を取りに行った場面だった。しかし、得点を奪ったのは相手チームだった――。

 第1戦を1-2で落としていたヴィッセル神戸は序盤からシュートシーンを作り出した。そして、前半39分にはMF藤田直之のロングスローから得点を狙ったが、GK大谷幸輝のパンチングに弾き出されると浦和のカウンターを浴びて逆に先制点を献上してしまう。勝利のためには3点が必要な厳しい状況となっただけでなく、DF岩波拓也は「あのカウンター一発で一気に相手を勢い付けてしまった」と唇を噛んだ。

 先制を許した直後の前半43分にはMF阿部勇樹にPKを沈められ、リードを広げられてしまう。「得点を取りにいこうとした中で奪われた先制点だったのでショックはあったけど、そこですぐに2点目を取ってくるレッズとの差を感じました」。後半に入っても浦和に2点を加点され、チームは0-4の敗戦。2試合合計1-6の大敗で大会から姿を消すことになった。

 1か月前の8月、岩波はリオデジャネイロ五輪代表として、本大会に臨んでいた。しかし、登録18選手の中で唯一出場機会が訪れることなく、チームはグループリーグ敗退となった。第3戦スウェーデン戦後の取材エリアでは、立ち止まることなく涙も浮かべていたが、「もう、終わったこと」と気持ちを切り替えている。

 同じく五輪を戦ったFW浅野拓磨、MF大島僚太、MF遠藤航、DF植田直通は戦いの場をA代表に移し、ロシアW杯アジア最終予選に臨んでいる。彼らがA代表のピッチで戦う姿を見て、「すごく刺激になる。五輪代表の悔しさは、代表でしか返せないと思うので、自分も続いていきたい」と決意を新たにした。

 しかし、A代表に招集されるには、クラブの結果が重要だと話す。ルヴァン杯では準々決勝敗退となった神戸だが、J1第2ステージでは3連勝と好調を維持しており、第2Sは首位川崎Fと勝ち点差3の5位につけている。「まずはチームが勝って、上に行かないといけない。結果を出し続けていくしかないと思っています」。再び代表のユニフォームに袖を通すためにも、まずはクラブで結果を残し続ける。

(取材・文 折戸岳彦)
●ルヴァン杯2016特設ページ

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