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「なんでなんかな」空振りに首傾げた本田、完封の守備陣に感謝

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[9.6 W杯アジア最終予選 日本2-0タイ バンコク]

 思わず首を傾げた。1-0で迎えた前半24分、FW本田圭佑(ミラン)に絶好のチャンスが訪れる。左サイドのスペースに飛び出したFW浅野拓磨からのグラウンダーのクロスに飛び込むが、左足のシュートはまさかの空振り。追加点の好機を生かせなかった。

「空振ったので、なんでなんかなと。そこまで(ボールが)跳ねた記憶もない。映像を見てみないと分からないけど、チームが勝ってよかった。これで負けたら僕のせいになっていた」。冗談交じりに話しながらも、「得点に絡めなかったのは反省点」と悔しさをにじませた。

 FW原口元気、浅野という最終予選初先発コンビがそろってゴールという結果を残したとはいえ、本田も含め、数多くのチャンスで決定力を欠いたのも事実。一方、守備陣は完全アウェーの中、無失点に抑えた。

「攻撃陣は反省するところが多いが、守備陣は(ピンチになった)1本以外は完璧。実際、失点していないし、守備陣をしっかり評価したい」と感謝したのは正直な思いだろう。

 1日のUAE戦(1-2)はまさかの黒星スタート。アジア最終予選が現行方式となった98年フランスW杯以降、過去5大会の最終予選で初戦が黒星だったチームはすべて予選敗退に終わっている。“W杯出場確率0%”といういきなりの正念場にも「たかが1敗」と強気な姿勢を崩さなかった本田だが、初白星を挙げたこの日は一転してチームの手綱を引き締めた。

「初戦がああいう結果で、危機感しかない立ち上がりだった。1試合でその危機感が取れるとも思っていない。勝ち続けないといけないイメージを持っているし、あとがあるとは思っていない」。これで1勝1敗のイーブン。“たかが1勝”というのが率直な思いか。10月にはホームでイラク戦、アウェーでオーストラリア戦という大一番が待っている。

「攻撃は今日に近い数のチャンスをつくること。そういうイメージは監督も持っていると思う。スペースが空けばチャンスをつくれるサッカー。それは来月、試したい」。崖っ縁から一歩前進したハリルジャパン。最終予選はここからが本番だ。

(取材・文 西山紘平)

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