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リベリ、“すべてを勝ち取ってきた男”が語る新監督、暴力、そして将来

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 バイエルンをけん引し続けるスタープレーヤーが『Goal』の独占インタビューに応じてくれた。新たに就任した指揮官との関係性、批判を受けたピッチ上での振る舞い、これからのキャリアのこと……。フランク・リベリが、すべてを語る。

―インタビューを受けてくれてありがとう。調子はどうだい?
「コンディションはとてもいい。100%の状態だ。気分もすごくいい。とにかくケガをしないことを願うよ。それが一番だね」

―今シーズンからバイエルンはカルロ・アンチェロッティが率いることになった。彼の印象を教えてもらえるかな?
「気さくで話しやすい人だよ。選手のことを本当に大事に思っているし、そのことを俺たちも感じることができている。いつも話題を探していて、話しかけては笑いを取っているんだ。コンディションの話もするよ。とても良好な関係にある」

「念のため言っておくと、何も友だちだと思っているわけじゃない。俺たちだって子どもじゃないんだ。監督には敬意を払っているよ。ただ、これほど良好な関係を監督と築けているっていうのはとても大事なことなんだ。本当に長い時間をともにしているからフットボール以外のことについて話せないなんて、息が詰まってしまう。くだらない話をして一緒に笑い合う時間が、とても重要だということさ」

「アンチェロッティはいつもポジティブなんだ。彼のことを悪く言う選手なんて聞いたことがない。いいチームを作るためにはいい選手が必要だ。だけど、それだけじゃチームはまとまらない。親密な関係を築いていくことが、同じくらい大事なんだ」

「彼は本当にすごい。チャンピオンだよ。じゃなきゃこんなに協調性のある雰囲気を作ることはできない。『こうすればチームは成功していける』。そう周りに思わせてしまうオーラを持っている人なんだ」

―とてもいい関係のようだね。次に……少し聞きにくい話をしてもいいかな? キミは時々、ピッチ上での振る舞いについて、物議を醸すことがある。暴力的な行為をして批判を受けることも度々あるけど、自分ではどのように捉えているのだろう?
「俺はよく1対1で勝負する。だからたくさんファールを受ける。今まで、何回殴られたり蹴られたり、挑発を受けたりしたかなんて聞かれてもわからないから質問しないでくれよ(苦笑)」

「何か言えるとするなら、俺がプロフェッショナルな男だということさ。チームが優位になるように1対1で勝つ、それが俺の仕事だからね」

「この件に関しては、カールハインツ・ルンメニゲ会長がサポートしてくれた。本当に感謝しているよ。彼は『フランクは時に冷静でいることが難しいような攻撃を受ける』と言ってくれた。まさに、そのとおりなんだ」

「確かに俺は感情的になることがある。性格の一部と言われても仕方ないかもしれない。だけどピッチに立っているときは気合がみなぎっているものなんだ。もちろんプレーに集中しなければいけないことは分かっているけど、相手にものすごくアグレッシブに来られると、冷静さを保つことはとても難しい」

「一応、自分自身に助け舟を出しておくと、親しい友人は『寛大でいいやつだ』って言ってくれるよ(笑)」

―なるほどね。さっき、フロントのサポートがキミの力になっていると話していたけど、ウリ・ヘーネスがクラブに復帰したことについて、どう感じているのかな?(※注:元会長のヘーネスは脱税容疑で禁錮刑を受けていたが、今夏に復職)
「素直にうれしいよ。ウリ、奥さん、子どもたちや彼に関わる人たちのことを考えるとね。もちろん、クラブにとってもいいことさ。本当に素晴らしいことだよ。ここ数年は彼にとって、とても難しい時間だったから」

「実は面会するために留置所へ行ったことがある。ウリはいつだって俺のためにいてくれた。昔からいい関係を築けているんだ。以前はよくオフィスに行って、一緒にエスプレッソを飲んだほどだよ。当然のことだけど、留置所にはエスプレッソがなかった。残念だったね」

「ウリにとって、本当につらい時間だったと思う。何もすることを許されず、毎日変わらない日々が続くんだ。俺としても留置所で会わなければいけないなんて、つらいことだった。その時、話したのは『(この難しい時期を)うまく乗り越えられる』ってことさ。現にそうなった。今、彼は自分の人生に戻ることができたんだ。本当に尊敬している。大切な存在なんだ」

―今度はキミ自身の話を聞かせてほしい。今後のキャリアについてどう考えているのかな?
「あと2、3年はここに残ることになるんじゃないかな。(フットボールの世界では)何が起こるか分からないけどね。今はいいフォームを保てている。それ次第だと思うよ」

―今の力を保てればバイエルンでプレーし続けると思っていいかな?
「そう願うよ」

―では、改めてバイエルンの目標を聞かせてくれないかい?
「すべてを勝ち取りたい。ただ、もしブンデスリーガとチャンピオンズリーグ(CL)のどちらかを選ばなければいけないとしたら、CLを取りたい。もちろん、ブンデスリーガは大切だけど、CLは特別だからね。もっとも、実際にはすべてを勝ち取れるチャンスがある。すべてのタイトルを獲得したいと思っているよ」

―「特別」だというCLでは、昨シーズンの準決勝で敗れたアトレティコ・マドリーと、グループステージで再戦することが決まった。どういう思いを持って試合に臨むのだろう?
「リベンジだとは思っていない。ホームではいい試合ができたしね。(決勝に進出できなかったのは)運がなかったというだけのことさ。今回、俺たちが入ったグループは楽じゃない。それでもすべての試合で勝たなければいけない。何が言いたいかというと、アトレティコや(アントワーヌ)グリエズマンだけが相手じゃない、ということだ」

―では最後に、意気込みを聞かせてくれるかな?
「俺はすべてを勝ち取ってきた。なぜそうできたか、自分でも分かっている。プレーして勝つ、それだけのことさ!」

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