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[プリンスリーグ北信越]FK弾含む2発!!逸材中学生MF谷内田哲平は強豪・帝京長岡ですでに主軸級の存在に

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帝京長岡高は注目の中学生MF谷内田哲平が2得点

[9.22 高円宮杯プリンスリーグ北信越第17節 帝京長岡高 5-0 長岡向陵高 長岡市ニュータウン運動公園サッカー場]

 帝京長岡高は注目の中学生MF谷内田哲平が2得点を挙げた。1-0の前半36分、左中間でFKを得ると、ポイントでの先輩選手との長い会話の末に蹴ったのは谷内田。右足から放たれた「狙い通り」というボールはゴール前の混戦を抜けてそのままファーサイドのゴールネットに吸い込まれた。これがプリンスリーグ6得点目の中学生MFは難なくやり遂げたゴール後だったからか喜びは控えめ。わずかに笑みを見せると、1歳~3歳年上のチームメートたちの祝福にハイタッチで応えていた。

 前半は「味方との距離感がちょっと悪くて」ボールを受ける回数が少なかったが、後半に修正。2列目でボールを引き出して少ないタッチでパスワークに加わると、前線へ飛び出す動きも見せた。そして28分にはショートパスの連続から最後はMF陶山勇磨のラストパスでDFの背後へ抜け出してゴール。「短いパスで崩していく。イメージ通りでした」というゴールでプリンスリーグ3度目となる1試合2得点を記録した。

 長岡JY FCに所属する谷内田が同じグラウンドでトレーニングする系列の帝京長岡高でプレーしているのは昨年から。長岡JY FCでは可能性のある中学生選手たちが帝京長岡のトレーニングに加わり、プリンスリーグや県リーグで高校サッカーを体感している。谷内田も「同じ学年とやってもレベルアップはしないと思うし、上の学年とやることでレベルアップしていくと思う」とU-15年代の試合にはほとんど参加せず、U-18のチームで自分を磨くことを決めた。

 U-16日本代表候補に選出されるなど、同世代では突き抜けた存在である谷内田も帝京長岡高の一員として試合に出場するためには日常のトレーニングからアピールしなければならない。だが、育成のためだけじゃなく、帝京長岡が勝つための戦力として試合に出るためにはトレーニングで技術を示し、試合で結果を出さないといけない。その思いはエネルギーになった。「中学生にとってはレベルアップする場としてすごくいい思いますけれど、出ているからには高校生の分まで活躍しなければいけないと思いますし、そういう中で結果残す方が自分としてもレベルアップすると思います」。今やコーチ陣や先輩たちも「帝京長岡の戦力」と認め、リーグ戦では帝京長岡にとって“エース級”の欠かせない存在になっている。

 テクニック、パス、相手を外す動き、そして1タッチのプレーにも自信を持っている。谷口哲朗コーチが「小塚は空間認識力があって、それを上回るのが谷内田」と語るように、新潟で活躍する先輩のU-23日本代表候補MF小塚和季以上とも言えるポテンシャルを秘めた逸材だ。一方、課題はミドルシュートと守備。それを改善して自らの道を切り開く。

 01年生まれのMFは現在AFC U-16選手権を戦うU-16日本代表、00ジャパン入りを当然のように意識している。「あそこに入りたいと思いますが、入れなかったので。(アジアで)勝てば来年ワールドカップがあるので、こういうところで結果を残していければ来年またチャンスがあると思う。近い目標はU-17のワールドカップに出て優勝することだったり。将来はバルセロナでやりたい」。志の高さも上のステージでの活躍をもたらしている理由のひとつ。越後の才能はさらなる高みを目指して日々努力を重ねる。

(取材・文 吉田太郎)
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