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[MOM1887]帝京長岡FW楜澤健太(3年)_注目レフティー、意表突くプレー連発し、2発も!

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帝京長岡高の10番、FW楜澤健太は2ゴールの活躍。トリッキーな動きも連発した

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.22 高円宮杯プリンスリーグ北信越第17節 帝京長岡高 5-0 長岡向陵高 長岡市ニュータウン運動公園サッカー場]

 意表を突くようなプレーの連続だった。帝京長岡高の10番、FW楜澤健太はその技巧でアイディアを表現。軸足でのボールコントールで相手を外したり、緩急でDFを振り切ったり、トリッキーなパス含めて雨中で存在感を放った。「あれはメンタル来てしまいましたね」と苦笑するような決定機でのミスもあったものの、レフティーは得点センスの高さも見せつける2ゴールで勝利をもたらした。

 まずは前半25分、帝京長岡はシュートを打てない時間帯が続いていたが、FWが一撃で歓喜をもたらす。左SB安田光希の左足クロスをニアへ飛び込んだ背番号10が左足ダイレクトボレーでゴールネットに突き刺した。ゴール前での相手との駆け引きから一瞬の動きで背後を取って鮮烈ゴール。「(クロスがDFの)頭を越えればタイミングで取れるなと思っていた。入り込むだけだったので当てるだけでした。クロスが良かったです」。決して簡単では無いシュートのように映ったが、本人にとっては“当然”のゴールだった。

 それまでボールを持つシーンも少なかったが、得点後は受ける回数が増え、前向きなドリブル、パスで攻撃の中心に。「ドリブルにしても、パスにしても、意表を突くプレーというのを心がけています。分かりやすいプレーだけだと付いて来られてしまう。(トリッキーなプレーが)自分の中でも好きというのがあるんですけど」と相手の裏をかくようなプレーを連発し、後半にはこぼれ球を角度のない位置から左足でゴールへねじ込んで2点目を決めた。

 プリンスリーグ北信越で得点ランキング2位。レフティーの“フェンタジスタ”はストライカーとしての気質も兼ね備えている。「(目指している姿は)メッシですかね。メッシとロナウジーニョはずっと見ていました。メッシは低い位置からドリブルで仕掛けてみたり、FWだったとしても攻撃をつくったりもする。ゴールの落ち着きとか本当にすごい」。楜澤もFW、SH、トップ下でも得点、1対1での打開、攻撃の組み立てをすることができる存在。細身だが、DFを背負ってキープすることのできる力強さも持つ。利己的で自由だったプレーが3年生になって変化。谷口哲朗コーチも「3年生になってサッカー選手になってきた。少し周りとの兼ね合いとかプレーの判断上げて、自分で失ったボールも取り返してくれる」と評するように、プレーの幅を広げたFWは試合でより存在感を発揮している。

 夏の全国高校総体は悔しい1回戦敗退。「インターハイは怪我してしまって、全然動けていない状態でインターハイに出てしまった。本当に悔しいというか、不甲斐ないというか。それまで教えてくれたコーチとか監督とか応援に来てくれた親に申し訳ない。選手権で恩返しできるようにしていきたいです」。選手権で主役に躍り出てもおかしくないレフティー。夏の悔しさもぶつけてチームを目標の日本一へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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