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[プリンスリーグ北信越]「堂々としている方が相手も決めにくい」帝京長岡は“慌てない”GK深谷主将が完封勝利

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帝京長岡高GK深谷圭佑は完封勝利に大きく貢献

[9.22 高円宮杯プリンスリーグ北信越第17節 帝京長岡高 5-0 長岡向陵高 長岡市ニュータウン運動公園サッカー場]

 後半、点差の開いた状況となったが、長岡向陵高は最後まで諦めずに1点を狙いに来ていた。そして終盤にビッグチャンス。だが、PAでラストパスを受けたFW高橋拓也(3年)が押し込もうとした一撃は距離を詰めていた帝京長岡高GK深谷圭佑が横っ飛びで阻止。さらに43分にはスルーパスであわやのシーンもあったが、帝京長岡は飛び出したGK深谷が身体を投げ出してボールをキャッチした。その後も隙あれば失点のようなボールがPAに落ちたが、集中力を切らさなかった深谷が対応。完封勝利を収めた。

 180cmの守護神、深谷は印象的なGKだった。雨中で落ち着きを欠くことなく、DFに声をかけながら相手の攻撃に対応。走り込んでくる相手選手と接触するようなシーンもあったが、熱くなることなく、その選手と握手をかわすと、すぐに攻撃をスタートさせていた。常に堂々とした姿勢で、ゴール前での“雰囲気”を持った守護神。「慌てないことが周りにもいい影響を生むし、堂々としている方が相手も決めにくいと思う。(ピンチになっても)悪い言い方をすると、『どうせ止められるだろう』くらいの気持ちでやっています」。言葉通りにピンチになっても慌てずに、相手の前に立ちはだかった。

 シーズン開幕当初は緊張することが多かったというが、試合を重ねるごとに落ち着いてプレーできるようになった。それでも夏の全国高校総体は自慢のキックで一発を狙い過ぎたこともあって、0-1で初戦敗退。バックパスを受ける回数が増えてしまっていたが、その後はチームのボールを大事にする攻撃スタイルがより発揮できるように改善し、DFや自身が縦パスを入れられるように取り組んできた。時に得意のロングキックで局面を変えることもあるが、まずはボールを丁寧に繋ぎ、チームの狙いとするサッカーを最後方で表現し続けている。

 10月には選手権予選が開幕する。「県予選を勝ってしっかり全国大会に行くことと、キャプテンとして失点しても落ち着かせたり、チームのモチベーションをコントロールできたり、もっとオーガナイズしていきたい。キックが武器なので一発で仕留められる時とかは落ち着いて仕留めていけるように。インターハイの経験を活かしていきたい」。学力もトップレベルという知的な守護神。愛知からやってきた主将が下級生中心のチームを落ち着かせて白星へと導く。

(取材・文 吉田太郎)
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