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[AFC U-16選手権]世界切符決定戦!“00ジャパン”はヤンチャに、元気に扉を開く

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U-16日本代表は25日、U-17W杯への出場権を懸けてUAEとの準々決勝を戦う

 9月25日、U-16日本代表は「ここで勝つためにやって来た」(森山佳郎監督)決戦の日を迎える。AFC U-16選手権準々決勝、UAE戦。勝てば来年のU-17W杯出場が決まり、負ければチーム解散。まさに天国と地獄の分かれ道と言える、チーム結成以来最大のビッグマッチとなる。「みんなと一緒にもっと戦うために」という主将・福岡慎平(京都U-18)の言葉は全員に共通する思いだろう。

 23日の前々日練習、そして24日の前日練習ともに、そんな選手たちの思いが感じ取れる好内容だった。「すごく良い雰囲気でやれたと思う」と福岡が振り返ったように、ナーバスになっている感覚もなく、だからと言って、ゆるんでしまったりもしていない。両練習ともに雨に祟られる内容となったが、“00ジャパン”の「ヤンチャで元気な選手たち」(森山監督)らしく、練習着が泥まみれになるのもいとわずに体をぶつけ合い、声を掛け合って決戦への準備をこなした。

 紅白戦のラインナップは以下の通り。最終ラインは左から菊地健太(JFAアカデミー福島U18)、瀬古歩夢(C大阪U-18)、菅原由勢(名古屋U18)、喜田陽(C大阪U-18)。中盤の中央には平川怜(FC東京U-18)と福岡の不動のコンビが入り、左MFには引いてくる相手に対するミドル砲にも期待の懸かる中村敬斗(三菱養和ユース)。右MFには同じくカットインが持ち味の久保建英(FC東京U-18)を配置し、2トップには起点になれるFW宮代大聖(川崎F U-18)と、仕掛けるプレーの光る好調FW棚橋尭士(横浜FMユース)が入った。

 キーポイントは菅原を右SBからCBにスライドし、左SBだった喜田を右に回して、菊地を左サイドバックに置いたこと。「カウンターのスピードと迫力」(森山監督)売りの相手に対して、智恵と勇気と機動力で守れる菅原を中央に回して対抗する狙いだろう。また菊地の抜擢は、相手が中央を固めてくる上にGKに弱みがある中で、クロスからの攻めがカギになるとにらみ、左利きの選手をこの位置に置きたかったこともありそうだ。

 もっとも、UAEは右翼からの攻撃に強みがあるので、菊地の存在は守備でもカギになる。練習ではサイド突破を許してCBが釣り出されてしまった状況を想定したシチュエーショントレーニングも交えながら、入念なUAE対策を練り込んだ。カウンターに対しての意識付けもしっかり行いつつ、もう一つのカギになりそうなセットプレーの対策も準備。最後はPK戦に備えて全員が蹴り込み(主力は全員成功)、世界切符決定戦に備えた。

 準備は万端整い、あとは試合で死力を尽くすのみ。「本当にタフな1点を争うゲームになる」(森山監督)と予想される中で、「ギリギリのところではメンタルの比重が増してくる」のも必定。元より気持ちの強さを重視し、そこで負けることは許さないという姿勢で活動してきたのが“00ジャパン”である。この大一番で弱気を見せる選手などいないだろう。決戦に際し、森山監督はいつもと変わらず、選手たちを送り出すはずだ。「お前ら、思う存分、暴れ回ってこい!」と。

(取材・文 川端暁彦)
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