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[プレミアリーグEAST]「クラセンMVP」FC東京U-18FW半谷陽介は悔しい“夏の王者対決”に

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[9.24 高円宮杯プレミアリーグEAST第14節 FC東京U-18 1-1 市立船橋高 東京ガス武蔵野苑多目的G(人工芝)]

 日本クラブユース選手権(U-18)大会MVPのFC東京U-18FW半谷陽介にとっては悔しい“夏の王者対決”となった。「自分の短所というか、立ち上がりのところは動きとかも鈍かったりして直していきたいです」と語ったように、立ち上がりは本人も不満の出来。それでもカウンターから縦への仕掛けで抜け出しかけるなど相手のとって怖い存在で有り続けると、前半アディショナルタイムに右CKから頭での折り返しによってFW内田宅哉のゴールをアシスト。ゴールについては内田のテクニックによるものが大きかったが、「鍵になると思っていた」というセットプレーでひとつ結果を残した。

 そして後半は動き出しの速さ、クイックネスでDFを振り切り、決定機を演出。後半22分には絶妙な飛び出しで相手の背後を取ると、PAで後方からファウルを受けてPKを獲得した。だが、自らキッカーを務めたPKはGKに阻まれて失敗。「後期のエスパルス戦で一回もらって外しちゃっていて。そこから次自分でもらったときは行こうと思っていた」。だが、重圧を感じる中でのキックは力みすぎたこともあって失敗に終わった。試合後も唇を噛んで悔しがった半谷。「次はどうするかわからないですけど、練習だけはしていきたい」。壁を乗り越える取り組みだけは続けていく。

 夏のMVPは努力の成果だった。1年時にAFC U-16選手権日本代表に選出され、注目度を高めたが、昨年はチームでもベンチの日々が続いた。「練習試合とかとプレミアとは違う強度で一定の強度を出すのが難しかった」と振り返る。それでも今年は「後先考えずに守備したりするのを考えています」。攻守一体を掲げるチームのため、決して得意ではないという守備に力を入れてきたことが自身のレベルを一段階引き上げ、チームの攻守を高めた。

「自分は中学3年の時の夏のクラブユースも決勝行ってマリノスに負けてしまって、全国で萎縮してしまって力を出しきれないというのがあった」というFWは今年のクラブユース選手権でも前線でチームを引っ張る動き。献身的に走り続けたFWは準決勝、決勝でゴールを決めて日本一、MVPという全国のライバルたちが目指した最高の結果を手にした。

 それでも満足はしていない。プレミアリーグではまだ4得点。FWというポジションでありながら、内田やMF生地慶充というチームメートの後塵を拝している。「年間通してもスロースタートというのがある。いい形で終わりたいですね。Jユースも始まるので切り替えてやっていかないといけない」。悔しさをバネに成長してきたFWが、この日の無念も力に変えて秋のシーズンで結果を残す。

(取材・文 吉田太郎)
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