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[AFC U-16選手権]新戦力の発掘と底上げ、アジアの頂点逃した日本は「世界仕様の“00ジャパン”」を目指す

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[9.29 AFC U-16選手権準決勝 日本2-4イラク]

 9月29日、AFC U-16選手権準決勝において日本はイラクに2-4のスコアで敗北。世界切符獲得の勢いそのままにアジアの頂点を狙ったが、志半ばで大会を去ることとなった。

 敗因を何か一つに限定するのは難しいが、大切なのはこの悔しい気持ちを成長の糧へと変えていくことだろう。チームとして至らなかった部分があったのは否めない。ゲームコントールに失敗し、狙っていたボールを動かすことで相手のプレッシャーを回避し、先に相手を疲れさせるプランは現実化しなかった。前半を2-1で折り返したと言っても、内容がそこまで良かったわけではない。風下に立った後半、相手が長いボールを連発してくる流れの中で、相手の勢いに飲まれてしまったのも確かだった。

 個人、個人にも課題が出たゲームだった。森山佳郎監督は「決められなかった。守れなかった。ヘディングで勝てなかった。パスを引っ掛けてしまった。それぞれに課題が出たと思う。それを悔しいと思うなら、そのままにしてはいけない」と言う。チームとしても、個人としても、それぞれ世界大会までの宿題を得たような試合を終えて、何を感じたかが肝要になる。

 そしてここからは「新しい競争が始まる」(同監督)。最終予選をターゲットとする中で、呼びたくても呼べなかったり、先送りにしていた人材を新たにテストすると共に、さらなるタレントの発掘を続けていく考えだ。指揮官は「2000年以降に生まれた選手たちみんなで新たな競争を巻き起こしていきたい」と語った。

 過去の大会を思い出しても、予選のメンバーのまま世界大会を戦ったチームはない。何より高校1年生から2年生にかけてのこの時期は劇的に伸びてくる選手が出てくる時期でもある。大会前、森山監督は「(現在のチームに)早熟の選手が多いのは分かっている」とした上で、「遅咲きの選手、高校サッカーの大物などはこのあとに出てくるのだと思う」と予選終了後に新戦力探しを本格化させることを明らかにしていた。

 このままのチームでは世界でも勝てない。イラク戦はそれを教えられるゲームでもあった。現在のメンバーのさらなるレベルアップと、新戦力の発掘と底上げ。その二つが生み出す新たな競争によって、もうワンランク、ツーランクとチームのレベルを押し上げていく。それができないようでは、彼らの願う「世界一」の目標には届くまい。アジアバージョンの“00ジャパン”はここでいったん終わりを告げ、世界仕様の“00ジャパン”を目指す。そのための戦いは、もう始まっている。

(取材・文 川端暁彦)
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