beacon

U-19代表選出ならず、東京V渡辺皓太「こっちで結果を出すしかない」

このエントリーをはてなブックマークに追加
[10.2 J2第34節 町田2-1東京V 町田]

 東京ヴェルディFC町田ゼルビアに1-2で敗戦。先制を許した後に相手が退場者を出したため、数的有利に立った。しかし、そこから再び失点。後半に1点を返したが2点目は叶わなかった。

 0-2の後半から最初の交代カードとして投入されたのは、ユース所属の高校3年生MF渡辺皓太。「どんどん前に出て得点に絡むこと。あとはセカンドボールとかを拾っていけるようにという指示がありました」という。

 後半14分にはMF中後雅喜の縦パスを受けた渡辺が右足ワンタッチで浮かせ、FWドウグラス・ヴィエイラがダイレクトでシュートを打ったが枠を外れた。冷静に味方の位置を見て、瞬間で出たプレー。“アシスト”はならずも「咄嗟に出たというか、ドウグラスさんからずっと見てくれと練習から言われていたので。そこは意識していました」と振り返る。

 そして、「あのときは慌ててしまったので、冷静にならないと。いつもの練習のように出来れば……」と悔やんだのは、後半アディショナルタイム4分のシーン。PA手前正面で受け、左へ持ち出してミドルを放ったが大きく枠を外れた。積極的な姿勢は示せたが、得点にはつながらなかった。

 今季、ここまで渡辺は5試合に出場。デビュー戦だった5月3日の山形戦(0-1)は0-0の後半26分からの出場だったが、その後の山口戦(1-3)、長崎戦(1-2)、京都戦(0-2)、そしてこの日の町田戦といずれもビハインドの展開でピッチへ送られている。

 負けている状況での投入は、気負わずシンプルにやればいいだけとも捉えられるが、いちサッカー選手として結果を残したい気持ちがあるなか、マイナスの状況でスタートし、試合終了のホイッスルをピッチ上で敗者として聞き続ける悔しさは計り知れない。

 高校生MFは「難しいですけど、そこをなんとか勝てるように持っていかないといけないかなと思います」と静かに誓った。

 また、渡辺はU-19日本代表候補に選出されていたが、先月28日に発表されたU-19日本代表からは落選。17年U-20W杯(韓国)の出場4枠を懸けたAFC U-19選手権バーレーン2016への出場は叶わなかった。

「代表はなくなってしまったので、こっちで結果を出すしかない。こっちで頑張って、また(代表に)呼ばれるように頑張らないといけないなと思います」と話したMFは「勝ち上がってもらって、世界大会でまた呼ばれたいです」とアジアを戦う仲間へ思いを託した。

 日の丸を背負ってのプレーは一旦休み。まずは緑のユニフォームで、プロ選手として独り立ちすべく日々を送る。いつか自分の足で勝利を手繰り寄せ、ピッチの上で試合終了の笛を聞けたとき。その経験は大きな自信となり、選手として一回りスケールアップできるはずだ。その先にはきっとジャパンブルーのユニフォームが待っている。

(取材・文 片岡涼)

TOP