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浅野、先発争う岡崎に“挑戦状”「いずれポジションを奪える選手に」

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代表練習で汗を流す浅野拓磨

 ドイツでの収穫を日本代表に還元する。出場機会に恵まれない海外組が多い中、FW浅野拓磨(シュツットガルト)は今夏の加入後、4試合連続で試合に出場。最近3試合はいずれも先発しており、「海外を経験して、ここ(代表)に来ているという自信は少なからず持っている」と、確かな手応えを感じている。

「代表にきても球際は厳しく言われる。それは世界の場でも感じた」。バヒド・ハリルホジッチ監督が重要視するデュエルこそが自身の課題だと痛感している。「高めないといけないのは球際。ボールを失う回数が多い。止めて、体を当てて保持するところが僕にはまだ足りない」。それでもスピードや裏を取る動きなど、持ち味は十分に通用している。まだ得点こそ挙げられていないが、9月20日のブラウンシュバイク戦では初アシストを記録し、ドイツ誌『キッカー』のマン・オブ・ザ・マッチにも選ばれた。

 1か月ぶりの代表合宿では、うれしい変化があった。リオ五輪代表で頼りにしていた指揮官との“再会”だ。前回の代表戦後に手倉森誠氏の日本代表コーチ復帰が決まったが、浅野の耳には届いていなかったようで、「テグさんが戻ってくるっていうのをこっちに戻るまで知らなかった」と明かし、取材陣の笑いを誘った。

 6日に対戦するイラクとは五輪世代でも対戦経験があり、リオ五輪本大会でもブラジルと0-0ドローを演じるなど「僕らの年代でもレベルの高いチームだった」と、その実力はよく分かっている。「相手の背後を狙って、シュートの精度を上げればゴールは絶対に奪える。あとは球際の部分で相手に負けない」と、9月6日のタイ戦(2-0)に続く2試合連続ゴールで勝利を呼び込むつもりだ。

 追い越さなければならない壁もある。タイ戦ではFW岡崎慎司(レスター・シティ)をベンチに追いやり、1トップで先発したが、偉大な先輩とのポジション争いは今後も続いていく。「僕もスタメンから試合に出ていかなければならない。岡崎さんみたいな見本がいるので、いい部分を盗みながら自分のものにしていけたら成長できる。いずれポジションを奪えるような選手にならないといけない」。気鋭のストライカーは胸を張って、誓いを口にした。

(取材・文 佐藤亜希子)

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