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[MOM1901]広島県MF山口直也(広島観音高2年)_再び決勝点!2試合連続で0-2からの逆転劇の主役に

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(写真協力 高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.4 国体少年男子準々決勝 広島県 3-2(延長)新潟県 遠野運動公園陸上競技場]

 前日に行われた宮崎県との2回戦に続き、0-2からの逆転劇で主役となったのは広島県の主将MF山口直也(広島観音高2年)だった。2-2で迎えた延長後半アディショナルタイム、山口はMF東俊希(広島ユース、1年)からのパスを受けると、縦への仕掛けから右足を一閃。前日の同点ゴール、決勝ゴールに続く殊勲の一撃を再び決めた。

「自分でも正直びっくりしています」という0-2からの逆転劇。その決勝ゴールには「決めるところもいっぱいあったんですけど……。DFもしっかり守ってくれていた。DFには迷惑かけた」という思いが込もっていた。この日、山口はチーム最多のシュート7本。だが、決定的なヘッドや仕掛けからのシュートが相手GKやDFにことごとくストップされていた。それでも果敢にシュートを繰り返したMFの執念の決勝点。それは、岩成智和監督(広島ユース)も「彼もシュートチャンスたくさんあって外していたんですけど、最後はああいう大事なところで決めるメンタリティーを早生まれの一個上の先輩ということで出してくれた」と讃えるゴールだった。

 チームに迷惑をかけた部分も確かにあった。だが、その突破力と勝負強さは非常に魅力的だ。「相手の重心だったりを動かしてそこでスピードで抜く」突破。緩急をつけたドリブルで相手の重心の逆を巧みに突いて鮮やかに抜き去る。彼の仕掛けに新潟県のDF陣は非常に手を焼いていた。そして2試合連続での決勝点。広島県で唯一、2年生で出場しているMFはその姿をU-16日本代表・森山佳郎監督の脳裏に焼き付けた一人だった。

 実力者揃う今年の広島観音ではまだスタメンではなく、スーパーサブのような立ち位置。だが、この日見せたパフォーマンスは十分に上を狙えるようなものだった。意識している存在は昨年の広島の主将で先月に鹿島入りが発表されたFW安部裕葵(瀬戸内高)。動き出しの面など「自分と全然違いますね」と感じている昨年の主将との差を縮めて目標のプロ、日本代表に選ばれるアタッカーとなる。

 今大会での目標は優勝だ。10番CB鈴直樹(広島ユース、1年)が「同い年みたいな感じで明るくて、結構いじられているけれど一体感をつくってくれる」と評した2年生MFが主将になって高まったという責任感も表現して日本一を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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