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[国体少年男子]神奈川県の注目ドリブラー、U-17日本代表FW椿が「凄み」ある動き

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(写真協力 高校サッカー年鑑)

[10.4 国体少年男子準々決勝 青森県 2-3 神奈川県 遠野運動公園陸上競技場]

 U-17日本代表に選出されているドリブラーがその実力を強豪対決で証明。特に後半は凄みのある動きで青森県を翻弄した。

 神奈川県の左サイドを務めるFW椿直起(横浜FMユース、1年)は横河武蔵野FCジュニアユース(現東京武蔵野シティFC U-15)出身で横浜FMユース加入1年目から存在感を示しているドリブラー。今大会はキープレーヤーを警戒する対戦相手が縦のコースを切って、かわされてももう1人、2人がカバーリングする対策が当たり前のような状況でのプレーが続いている。初戦の長野県戦では3アシストを記録し、チームの3-0快勝に貢献したが、自身のプレーには満足せず。この日も前半は相手にうまく対応されている時間が長く、ボールロストが失点に繋がってしまっていた。
 
 それでも一瞬の加速でDFを振り切って決定機に絡むなど危険な存在であり続けた椿はスペースのできだした後半に躍動。縦を警戒する相手の逆を突くようにカットインでDFを振り切った椿は個で局面を打開してシュートを打ち込むなど危険な存在となっていた。「前半ほど相手がコース切ってくることもなかったですし、後半はもう前半の自分の失点を取り返すというのもありましたし、チャンスをつくろうという思いでした」。その強い思いも後押しした椿は凄みあるドリブルで2人、3人を外してシュートを連発。わずかな差でボールがポスト横へ外れてしまうなど、自身が得点することはできなかったが、十分にそのポテンシャルを見せつけた。

 1、2学年上の世代に当たるU-17日本代表で世界を経験したことは自身の意識、また最大の武器であるドリブルの質も高めている。「球際とか身体当てられたりとかもありますけれど、絶対に負けたくない。ドリブルが自分のストロングポイントでそれで選ばれているので、ドリブルでは誰にも負けられないという思いが強くなりました。スピードも全然海外の方が速いし、緩急で抜けていたところも抜けなくなりましたし、間合いの作り方とかタイミングの外し方とか学びました」。学んだことも表現。青森の厳しいチェックに対しても簡単にはバランスを崩さず、また特長である1対1の局面で見せる初速、2、3歩の速さが相手との違いを生み出した。

 フィニッシュの部分で課題を残しているが、それが高まってくれば間違いなく次のステージで戦うことができる逸材。国体関東予選で不在だったFWは神奈川のサッカーにも貴重なアクセントを加えている。神奈川の繋ぐサッカーに順応しつつ、ここぞの場面でチームを勝たせるような活躍をして自信を深めるか。「きょうの試合勝ったのは大きいし、勝ち切れたことはチームの自信になっている。次は大阪で今日以上に厳しい試合になると思う。ここまできたら自分の特長も出しながら優勝したいと思います」。ポテンシャルを秘めたドリブラーが岩手の地でまだまだ輝きを放つ。

(取材・文 吉田太郎)
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