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気色ばむハリル、イラクメディアからは挑発的な質問も

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イラク戦前日、記者会見に出席するバヒド・ハリルホジッチ監督

 日本代表は5日、試合会場の埼玉スタジアムで公式練習を行い、6日のW杯アジア最終予選・イラク戦に向けて最終調整した。練習前に公式会見を行ったバヒド・ハリルホジッチ監督はチーム全体として「トップパフォーマンスにはならないと思う」と、難しい状況で試合に臨むことに理解を求めた。

 海外組の多くが所属クラブで出場機会に恵まれず、試合2日前に全選手がそろった。「選手によってフィジカルコンディションが違う状態。何人かは良い状態で、何人かは疲れている。疲労回復のところにトライしないといけない」と、チームが置かれた現状を説明した。

 9月1日のUAE戦に1-2で敗れ、まさかの黒星スタートとなったアジア最終予選。同6日のタイ戦は2-0で勝ったが、代表チームへの風当たりは強まっている。9月29日のメンバー発表会見では報道陣から「言い訳ではないと言っても、言い訳にしか聞こえない」「UAE戦と同じ結果になった場合、けじめを取ってくれるのか?」という厳しい質問も飛んだ。

「皮肉な冗談だ」「笑えない質問もあった」と気色ばんだ指揮官はこの日の会見でも「時々は困難な状況もあるが、何人かは理解できない、あるいは理解したくない様子なので、日本が勝つためにすべての準備をするということにとどめておきたい」と、冒頭のコメントを短く切り上げ、質疑応答に進んだ。

 緊張感も漂う記者会見ではイラクメディアから「日本のレベルは最近そんなに高くないように見えるが、それはなぜか?」という挑発的な質問も飛んだ。「このチームのリズムが落ちているかは分からないが、そうは思わない」。真っ向から否定するハリルホジッチ監督は「1年前、イラクに4-0で勝った。日本が素晴らしい試合をした」と、昨年6月11日のキリンチャレンジ杯を引き合いに出し、問題はピッチ外にあると力説した。

「私の困難はサッカー面ではない。違う分野で困難さを感じている。イラクは長い期間、合宿できたが、我々にはない。疲労回復の時間もあまりない」。そうイラクとの“違い”を指摘すると、「ただ、日本チームにはまだまだ最終予選を突破するだけのクオリティーがある。明日は勝つと思う」と、きっぱりと言い切った。

(取材・文 西山紘平)

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