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[国体少年男子]「決勝よりもインパクトを残そうぜ」東京都に6-0快勝の神奈川県が3位に

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(写真協力 高校サッカー年鑑)

[10.6 国体少年男子3位決定戦 神奈川県 6-0 東京都 遠野運動公園陸上競技場]

 第71回国民体育大会「希望郷いわて国体」サッカー競技3位決定戦が6日に行われ、神奈川県が6-0で東京都に快勝。3位で大会を終えた。

「決勝よりもインパクト残そうぜ、最高の3位決定戦にしようということだったので6-0の結果、結果だけでなくて内容を伴ったものだったと思います」。3連覇こそ逃したものの、3位決定戦で東京を圧倒した神奈川県の永山晃監督(浅野高)は静かに微笑んだ。

 ともに前日の準決勝から先発メンバーを入れ替えて臨んだ3位決定戦は神奈川がボールを握ろうとするが、東京も最終ラインからボールを動かして攻め返す。神奈川は左SB金子開研(桐光学園高1年)の攻撃参加からFW椿直起(横浜FMユース、1年)がシュートを放ち、中盤を巧みなターンで打開したMF武眞大(東京Vユース、1年)を起点とした攻撃からMF川野太壱(横浜FCユース、1年)の右クロスが中央に入る。一方の東京は左SB新井秀明(2年)が川崎F U-18のチームメートであるMF桝谷岳良(2年)に厳しいチェックを見せるなど意欲的な前半。18分には相手のミスパスをインターセプトし、最後はFW米津天(成立学園高2年)が右足シュートを打ち込み、23分にはインターセプトからMF杉山伶央(FC東京U-18、2年)が右足シュートをゴール左隅へ飛ばす。だが、神奈川はキャプテンマークを巻いたGK上川琢(湘南ユース、2年)が好反応でストップするなど得点を許さない。

 試合が動いたのは27分だった。神奈川は椿の左CKをMF岩澤桐人(横浜FMユース、1年)が左足ボレーで合わせて先制点。さらに前半終了間際には桝谷がドリブルでPAへ割って入り、DFを引きつけて出したパスから川野が左足で決めて2-0とした。神奈川は序盤こそミスも多かったが、得点後はそのパスワーク、プレスも噛み合って東京との差を広げる。加えて、空中戦で強さを見せたCB鈴木駿之助(横浜FMユース、1年)と粘り強い対応を見せたCB藤森隆汰(横浜FCユース、1年)を中心に身体の強さを発揮した攻守を見せるSB島崎元(川崎F U-18、1年)らが失点しないまま試合を進めた。

 神奈川は後半7分、左サイドを突破した椿が中央まで持ち込み、最後はFW栗原秀輔(横浜FMユース、1年)の仕掛けからこぼれたボールを川野が右足で決めて3-0。東京もスピードに乗ったドリブルを見せるFW宮本稜大(國學院久我山高1年)や献身的に走り続けていたMF天野悠貴(FC東京U-18、1年)が何とか1点を返そうとする。だがスペースができた後半、多彩な攻撃から、交代出場のMF柴田徹(湘南ユース、1年)やMF榊原彗悟(横浜FMユース、1年)もチャンスに絡む神奈川が4点目。神奈川は20分、カウンターから桝谷と交代出場FW山田新(川崎F U-18、1年)が鮮やかなコンビネーションで右サイドを破り、最後は中央でフリーの武が右足でゴールを破った。

 鮮やかな崩しからのゴールにベンチのスタッフ、サブ組たちは総立ち。それを上回る歓声が起こったのは29分だった。神奈川は「とにかくチームのために戦って、点も取って結果残せればいいと思っていました」という山田がが左サイドからドリブルでDFを1人、2人と外しながら中央へ持ち込んで、最後は右足でゴール。神奈川イレブンはこの日最大の盛り上がりで怪我から復帰してきた山田のゴールを喜んだ。東京もCB竹浪良威(國學院久我山高1年)や山本蒼也(桐光学園高1年)が単騎攻め上がって意地の1点を奪おうとしたが、ゴールを破ることはできず。対して、神奈川はアディショナルタイムにも中央から榊原が持ち上がり、最後は桝谷のラストパスを受けた山田が2点目のゴールを決めてゴールラッシュを締めた。

 神奈川の桝谷は「最終的にこういう終わり方をして。昨日のこと思い出して、昨日勝っていれば優勝できたのかなと思うんですけど、でもやり切ったので。自分たちのサッカーを見せれましたし、満足です」。3連覇を逃した悔しさはもちろんもっているが、先発出場で2得点を挙げた川野や交代出場で2得点を決めた山田ら、それぞれが一つでも自分の特長を出そうとプレーして見せた70分間。そして選手たちは快勝で3位決定戦を終えた。

 神奈川のサッカーを評価する声はライバルのスタッフたちからも多かった。個、そしてチームがインパクトを残した5日間。永山監督は「これでさらに質を高める、個々をもっと伸ばす。ここからプロがどんどん出てこないとトレセンの意味はないので」。今後、関東のトレセンリーグが続く「チーム・神奈川」はそれぞれが次の目標を持って成長を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
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