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対人守備系SBとして活路を開いた槙野「代役のつもりはない」

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約3年ぶりに左サイドバックで先発したDF槙野智章

[10.11 W杯アジア最終予選 日本1-1オーストラリア メルボルン]

 DF酒井宏樹が出場停止の日本は6日のイラク戦(2-1)に左サイドバックで先発したDF酒井高徳が右サイドバックに回り、左サイドバックにはDF槙野智章(浦和)が入った。槙野が左サイドバックで先発するのは13年7月28日の東アジア杯・韓国戦以来、約3年ぶりだった。

 開始5分で先制に成功した前半はガッチリと守備ブロックを敷き、リスクを負って攻撃参加する場面はほぼなかった。後半は押し込まれる回数が増えたが、身体を張ったプレーでピンチを防いだ。

「監督からは『攻撃より守備を重視して試合に入ってほしい』ということと、『相手がポジションチェンジをする中で、僕の声で周りを動かすことを意識してほしい』と言われた。具体的には、原口選手と香川選手を動かすこと。2人とも前に行きたい選手だけど、自分の良さを消してでも守備に専念する時間もあった。そこらへんはしっかりコントロールする声を出せた」。対人守備とコーチングで成果を見せることができたことに、槙野は自ら及第点を与えた。

 左サイドバックの控えには本職であるDF太田宏介もいたが、大柄な選手がそろうオーストラリアとの試合で、3バックのストッパーを本職とする槙野がチョイスされ、勝ち点1を手にしたことは、世界に向けて自ら活路を切り拓いたことになるだろう。

 槙野自身、「サイドバックには酒井宏樹や長友もいるけど、僕は彼らの代わりと思っていない」という部分を強調した。

「今日は高さと強さ、1対1の守備力を出さなければいけなかった。彼らには負けていないと思うし、代わりとしては見られたくなかった。今後はセンターバックもサイドバックもあると思うけど、求められることをピッチでしっかりと出していきたい」

 ザックジャパン時代にも左サイドバックとして試されたことがあったが、ブラジルW杯には立てなかった。センターバックでレギュラーの座をつかむことを第一の目標にしながら、フィジカル勝負の相手と対戦するときにサイドバックのオプションとしても有効であることを示すのが、槙野の生きる道になるのかもしれない。

(取材・文 矢内由美子)

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