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「彼がいなければ…」 MVPの浦和FW李、タイトル獲得で恩返し

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ファーストタッチで同点ゴールを叩き込みMVP受賞の浦和レッズFW李忠成

[10.15 ルヴァン杯決勝 G大阪1-1(PK4-5)浦和 埼玉]

 自分がヒーローになる――。そう、思い続けた男が正真正銘のヒーローになった。

 0-1と1点のビハインドを背負って迎えた後半31分、浦和レッズはCKを得る。そして、このタイミングでFW李忠成はMF高木俊幸と代わってピッチに送り込まれた。すると、MF柏木陽介が蹴り出したCKに誰よりも早く反応してヘディングで叩き付けると、ボールはゴールネットを揺らして同点ゴールが生まれた。

「『自分のところに来るんだ』という気持ちが引き寄せたゴール。イメージしなければ緊張して外していたかもしれないので、『自分がヒーローになるんだ』という攻めの気持ちがゴールを呼んだと思う」

 李のファーストタッチでの劇的な同点弾で追い付いたチームは、PK戦の末に勝利を収めてタイトルを獲得。そして、李はMVPに輝いた。「(名称が変わり)第1回目のルヴァン杯のMVPになれたのはすごく嬉しいし、優勝チームが浦和レッズというのは記録に残ることなので、本当に素晴らしい日になったと思います」と喜びを爆発させる。

 そして、09年から11年まで広島で、そして14年から浦和で指導を受けるペトロヴィッチ監督への感謝を示した。「彼のサッカーと出会ってプレーの幅が広がったし、日本代表にも選ばれ、プレミアリーグにも行けた。彼がいなければ、ここまで大きくなれなかったし、色々な世界は見れなかった」と振り返ると、「初タイトルを取れたのは、今までの恩返しになったと思う」と指揮官に“初タイトル”を贈れたことに白い歯を見せた。

(取材・文 折戸岳彦)
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