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阿部の「言葉を無視(笑)」した李がチーム救う!? 槙野も「持っている男」と称賛

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ペトロヴィッチ監督に初タイトルをプレゼントしたDF槙野智章は「本当に遅くなって申し訳ない」

[10.15 ルヴァン杯決勝 G大阪1-1(PK4-5)浦和 埼玉]

 0-1とリードを奪われたまま迎えた後半31分。浦和レッズはMF高木俊幸に代えてFW李忠成を投入した。ピッチ内にいたDF槙野智章は送り込まれたストライカーを見て「オーラがすごい」と感じていた。

 決勝戦に向けて、「合言葉」のように、MF阿部勇樹が話していたことがあったと槙野が明かす。「阿部選手が『ゴールに対してどん欲になるな』『MVPを狙いにいくな』『いつもどおりの自分たちで、いつもどおりの戦い方をしようと』話していました」。エゴを捨てて、いつもどおりの自分たちの姿を見せてタイトルを獲得しようとしていたわけだ。

 しかし、その中で唯一、「その言葉を無視して(笑)、『ゴールを取りたい』『MVPになりたい』と言っていたのが李選手」だった。そして迎えた後半31分、李は当然のように「自分がヒーローになるんだ」と強い思いを持って、ピッチに入っていた。すると投入直後に、MF柏木陽介が蹴り出したCKに誰よりも早く反応した李がヘディングで叩き込み、チームは同点に追い付いた。

 その後、PK戦までもつれる死闘を制して頂点に上り詰めた浦和。槙野は、「交代で入ったときの目つき、彼から放たれるオーラを見てすごいなと思った。思いは口にするものだと思ったし、『持っている男』だと改めて感じた」とチームを救うゴールを奪ったストライカーを称賛した。

(取材・文 折戸岳彦)
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