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カズの元同僚FW「人種差別のせいで監督になれない」

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05年にシドニーFCの一員としてFW三浦知良らと来日したドワイト・ヨーク氏(19番)

 元トリニダード・トバゴ代表のドワイト・ヨーク氏が監督を目指す上で黒人であることが障害になっていると嘆いている。英『ミラー』が同氏のコメントを伝えた。

 ヨーク氏は母国のクラブからアストン・ビラを経て、1998年から2002年までマンチェスター・ユナイテッドに在籍。抜群の補完関係を見せたアンディ・コール氏と強力2トップを形成し、1998-99シーズンの3冠獲得などクラブの栄光を築いた。

 その後はブラックバーン、 バーミンガムを経て、2005年からシドニーFCでプレー。同年に行われたFIFAクラブ世界選手権(現クラブW杯)ではFW三浦知良(横浜FC)らとともに来日した。翌2006年にサンダーランドへ移籍し、2009年に契約が満了すると、そのまま同年9月に現役引退を発表。第二の人生として指導者を目指していた。

 ヨーク氏は監督の資格はすでに獲得しているとのことだが、イングランドで監督としてのキャリアを積むためには、人種が問題になっていると訴える。古巣アストン・ビラの監督にも応募したものの、面談に進むことすらできなかったという。かつて世界に名を馳せたストライカーが現在の苦悩を語った。

「まだ私は仕事を探しているよ。監督になるための資格は全て獲得した。だが、それでも監督になるのは非常に難しいということが分かった。面談に進むことすらできないんだ。現時点では非常に厳しい状況にいるとしか言えない」

 指揮官への扉が閉ざされているのは、監督としての経験のなさが問題なのか、あるいは人種が問題なのか。ヨーク氏はイングランドにおける監督の人選を踏まえ、自らの考えを述べた。

「どちらも原因としてあるだろう。両方が影響していると思う。よく言われているように、人種をことさら問題視する人はいない。だが、色々な人と話していると、黒人選手のほうが監督業に進みにくい傾向が見られるようだ。人種のせいでね」

「監督になるチャンスは、もしかしたらないかもしれない。自分自身のアピールは問題ないはずだよ。個人のことを理解してもらえた上で、『分かったよドワイト。君の考えは理解した。だが、君には十分な経験がない。まず他のことをしたまえ』っていうなら分かるんだが…」

 監督業のためにすべき努力はしているが、自分の力の及ばないところでの理不尽さに頭を悩ませるヨーク氏。熱望する指導者への道をこじ開けることはできるだろうか。

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