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昌平MF針谷「『出てやろう』という気持ち持って」名門・磐田入り、僚友となる東福岡MF藤川は「ライバル」

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昌平高のMF針谷岳晃は夏の全国総体で大ブレイク。来季の磐田加入内定が決まった。(写真協力=高校サッカー年鑑)

 19日、昌平高(埼玉)のU-19日本代表MF針谷岳晃(3年)がジュビロ磐田に加入内定したことが発表された。針谷は今夏までは全国的に無名の存在だったが、全国高校総体(7~8月)でそのボールを失わないテクニックとパスセンスなどを発揮して大ブレイク。3連覇を狙った東福岡高(福岡)との2回戦で、後半アディショナルタイムに決勝点となる直接CKを決めるなど、初出場のチームをベスト4へ導く原動力となった。

「去年からインターハイは大事と言われていたんで。去年行けなくて責任を感じていましたし、今年は絶対に出ようという気持ちでみんなでやっていたので、そこで出るだけで満足しなかった」。特に初出場校がV候補を破った東福岡戦は全国に衝撃を与える勝利。自身の決勝CKについては「あれはたまたまです」と笑ったが、その試合が自分の将来の可能性を広げたことを実感している。「誰も東福岡に勝つと思っていなかったんで、自分たちが一番ビックリした(微笑)。それで変わりましたね。代表とかにも選ばれてきたんで」。針谷は全国総体後、SBSカップ国際ユースサッカー大会(8月)に出場したU-19日本代表に初選出され、そこでの活躍によって複数クラブが獲得を目指す存在となった。

 磐田には“人生を変えた”一戦を戦った東福岡の10番MF藤川虎太朗(3年)が加入することも発表されている。針谷は昨年度全国2冠の主軸メンバーで日本高校選抜としても活躍してきた藤川を「ライバルですね」と意識。「(東福岡戦で)マッチアップもしていましたし、やりにくい相手だったんで。それが同じになるということはライバルとして切磋琢磨できますし、同期というのはやっぱり大事だと思うんで、そういう関係を大切にしていきたい」。主にボランチやトップ下も担う針谷に対し、藤川も東福岡でのポジションはトップ下。来年以降のチームメートはライバルであり、選手権で再会したい相手となった。

 練習参加した磐田について、「やりやすかったですね」と振り返った針谷。判断よく通す縦パス、ボールを失わないプレーなどいつもの動きができたことで評価されたと感じている。そして磐田入りを決断した理由について、環境面やチームの雰囲気、J1での戦い、名波浩監督の存在などを挙げた針谷。名門クラブで出場機会を得ることは容易ではないが「(そのことを)知っていて行こうとしている。『出てやろう』という気持ちを持っていく。それは自分次第なのでしっかりやらないと変われない」。

 磐田のサポーターに特に見てもらいたい部分について「ラストパスとか、縦パスとミドルシュートとかですね。自分が違いを見せれば色々な人に受け入れてもらえると思うので、見せていきたい」と語り、全国総体で2試合連続決めた“得意”の直接CKによるゴールついては「もっと球の質とか、スピードとか上げないとダメですね」とJでも通用する武器にすることを誓っていた。

 まずは29日に初戦を迎える全国高校選手権予選、そしてチームのプリンスリーグ関東昇格に集中する。「(選手権予選では)市立(浦和)だったり、浦和東だったりとかが負けたりして、やっぱりこれが選手権かなという感じがする。一年前、(準決勝で敗れて)悔しい思いをしているので、自分も何もできずに終わっているので、今年に懸けている思いは強いですね。2年前に(選手権初出場して)先輩たちが歴史をつくってくれてきたんで、自分たちがその歴史をもっと大きいものにして、後輩たちに残していきたい。このチームが立ち上がった時から日本一というのは目指してきた目標なので、それをインターハイでは3位で終わってしまったんで、選手権ではしっかり埼玉で勝って、そこから全国出て、市船(市立船橋、全国総体準決勝で敗戦)に勝って優勝したいです」。冬の選手権では夏以上のインパクトを残して日本一を。そしてより注目される存在となって、静岡の名門に加入する。
 
(取材・文 吉田太郎)
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