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[MOM1919]成立学園FW鈴木龍之介(3年)_直接FK決めて後半は守備固め、攻守で貢献した万能型FW

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.16 全国高校選手権東京都Aブロック予選準々決勝 実践学園高 1-2 成立学園高 実践学園高尾G]

 その右足と万能性が成立学園高を救った。0-1の後半5分、成立学園はゴール正面左寄りの位置でFKを獲得すると、FW鈴木龍之介(3年)が右足を振り抜く。壁を越えた一撃は自身が思っていたよりも鋭く落ちてゴール右隅へ。「選手権とか一発勝負の時にセットプレーは大きな武器というか、大事になってくるので練習してきた」という鈴木のFKが貴重な同点ゴールとなった。

 この日は前半16分にPAで決定機を迎え、そこから左足、右足、右足と3連続シュートを放ちながら、決めきることができなかった。本人は「あそこで外したんでその責任があった」と振り返る。また、対戦相手の実践学園高は成立学園・宮内聡監督が「1点守るのは得意」と評す試合巧者。0-1のまま時間が経過してしまうと、そのまま守りきられてしまう可能性も十分にあった。だが、鈴木が強い責任感を持って蹴り込んだ千金FKで追いついた成立学園は、後半12分にもカウンターからFW竹本大輝(3年)が決めて2-1で逆転勝ち。FWで先発し、後半開始からボランチを務めて守備での奮闘も光った鈴木の攻守における活躍は非常に大きかった。

 後半はもう一人のボランチであるMF大野泰成(3年)に攻撃の組み立てをある程度任せ、自身は「相手の攻撃の芽を摘む感じで危険なところへ帰ることを意識していました」。球際の攻防でのチェックも素晴らしく、一人でボールを奪いきってしまうようなシーンも。攻守のバランスを整えながら、躊躇することなく激しい守備をしていたFWは、「龍之介はどこでもできる」(宮内監督)という期待に応えるプレーで勝利に貢献した。

 チームは11年ぶりの選手権全国大会まであと2勝。「もっと緊迫したゲームになると思うんですけど、その時こそ仕事できるように良い準備していきたいです」。FW、ボランチ、そしてSHと中盤より前のポジションを高いレベルでこなす万能型。そして無回転も含むFKを武器とする鈴木が緊迫した試合で再び結果を残してチームを白星へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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