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岩崎、市丸、藤谷が先発へ。U-19日本代表がカタールとの決戦へチームを整える

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カタールの決戦へ、初先発が濃厚となっているFW岩崎悠人

 10月19日、AFC U-19選手権に参加中のU-19日本代表は、グループステージ第3戦(対カタール)に向けた前日練習をバーレーンの首都マナマ市内の練習場にて実施した。勝利する以外では突破が難しくなる状況にあるため、「まず得点を取って勝利を目指す」(内山篤監督)ために、ゴールを奪うための工夫と勇気が求められることになる。

 フォーメーション練習と紅白戦を通じての先発組は、DFが左から舩木翔(C大阪U-18)、中山雄太(柏)、冨安健洋(福岡)という従来の3人に加え、右SBに藤谷壮(神戸)が今大会初めて入った。ボランチには坂井大将(大分)と、イラン戦で負傷の神谷優太(湘南)に代わって、これまた今大会を通じて初めての起用となる市丸瑞希(G大阪)。左右には堂安律(G大阪)と三好康児(川崎F)の“ダブル・レフティ”、そしてFWは小川航基(磐田)とここまで2試合途中出場だった岩崎悠人(京都橘高)のコンビとなった。

 藤谷の抜擢について内山監督は「コンディションが上がってきた」ことをまず挙げつつ、「相手のサイドアタッカーのスピード」への対策、そして「サイドアタックへの積極的な攻撃の仕掛け」(いずれも同監督)を狙っての起用であることを明らかにしている。神谷に代わって出場となる市丸は「いつ出てもいいように準備はしてきた。イメージは持っている。後ろでボールを動かすだけでなく、もっと(前線へ)飛び出すプレーを意識したい」と意欲十分。練習では鋭いミドルシュートも突き刺しており、これまでの試合でなかったボランチからのフィニッシュにも期待したいところだ。

 そしてFWには岩崎が入った。カタールは低い位置での不用意なショートパスも少なくないだけに、「前線から高い位置でプレッシャーをかけて高い位置で奪えれば」(岩崎)カウンターのチャンスもあるはず。そうなれば、岩崎のスピードも生きてくるだろう。練習では相手の3バックの脇にFWが斜めに抜け出すようなイメージも持たせており、これも岩崎の個性が生きる形だ。

 もう一つのキーワードは、サイドアタック。この2試合、「どうしても中へ中へとやってしまう」(内山監督)傾向があったため、あらためて練習ではサイドからの崩しを意識させてきた。SBを走らせてシンプルにクロスから勝負する形は、チーム結成以来取り組んできたものであり、カタールが3バックのチームという意味でも、あらためて意識しておきたいポイントだ。

 その上で、最後に乗り越えなければいけないのは、勝たなければいけないというシチュエーションで感じるであろう心理的なプレッシャー。イエメンとの第1戦では初戦の硬さからプレー精度が落ちてしまったが、同じ状態に陥るようでは一気に苦しくなる。変にかしこまらず、「開き直って点を取りに行くだけ」(坂井)という境地になるほうがいいだろう。平常心で戦えれば、カタールは決して勝てないような相手ではない。まずはグループステージ突破へ、東京五輪世代が最初の正念場を迎えている。

(取材・文 川端暁彦)
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