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湘南、昨季8位躍進も今季はシーズン前から混乱…チョウ監督「責任は私にある」

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チョウ・キジェ監督は「責任は選手には1%もない。責任は私にある」と繰り返した

[10.22 J1第2ステージ第15節 大宮3-2湘南 NACK]

 湘南ベルマーレの3季ぶりのJ2降格が決定した。第1ステージを4勝4分9敗と降格圏の16位で折り返すと、第2ステージはわずか1勝しか挙げられず、最下位に沈む苦しい戦いを強いられた。試合後の会見で「今後のことは今すぐには考えられない」と話したチョウ・キジェ監督。時折言葉を詰まらせながら、「降格したという責任は選手には1%もない。責任は私にある」と繰り返した。

 昨季は8位と健闘した湘南。しかし今季は浦和レッズにリオデジャネイロ五輪の主将DF遠藤航が、鹿島アントラーズにMF永木亮太が移籍。大倉智前社長や田村雄三前強化部長が福島県社会人リーグ2部のいわきFCに電撃移籍したことも混乱に拍車をかけた。報道陣に囲まれた眞壁潔代表取締役会長も「フロントにも責任がある」と認める。それでも「穴が埋められなかったと思ったことは全くない」と強がった。

 選手たちは強く責任を感じていると話す。永木の移籍で今季よりキャプテンに就任していたFW高山薫は、「自分の力不足を感じた。去年より劣っているところはない。むしろ練習ではいい攻撃が出来ていると感じていた。それなのにチームを引っ張れなかった。責任と力不足を感じている」と声を落とす。

 浦和からの期限付き移籍期間を延長して今季を戦ったMF山田直輝は、「ボールを失いたくない、ミスをしたくないという思いがあった。明らかに湘南スタイルではなかった」と唇を噛むものの、「今年のリーグの戦いは終わってしまったが、ベルマーレの戦い、僕の戦いはまだある」と必死に前を向いた。

 湘南の降格はこれで4度目。2010年に再昇格以降では初めてJ1を2シーズン続けて戦うことが出来たが、エレベータークラブという肩書を外すことは出来なかった。課題を挙げればきりがないが、明らかなのは得点力不足。チーム得点王が3得点では話にならない。その3得点を挙げている背番号10のMF菊池大介も「チームが残した結果なので素直に受け入れないといけない。個人としても責任を感じている。チームとして上に行けなかったのは、自分も含め責任があると思う」と自らを責めた。

(取材・文 児玉幸洋)
●[J1]第2ステージ第15節 スコア速報

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