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前十字靱帯損傷、全治8か月の湘南MF菊地俊介が「驚異的な回復」で復帰

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[10.22 J1第2ステージ第15節 大宮3-2湘南 NACK]

 2点ビハインドの危機的状況で湘南ベルマーレチョウ・キジェ監督は後半23分に最後の交代カードとして、3月に負った前十字靱帯損傷からの復帰戦となっていたMF菊地俊介の投入を決断した。

 すると後半32分、MF長谷川アーリアジャスールのラストパスをFWジネイが押し込み反撃。同38分には1点差に迫るジネイのこの日2点目が生まれた。同点、逆転とはならなかったが、菊地の登場は明らかにチームの士気を上げていた。「驚異的な回復」と25歳MFの精神力を称えた指揮官は、「彼が入って点が取れたのは、彼に対する神様のご褒美だと思います」と感慨深げに話した。

 今季の菊地は開幕4試合でスタメンフル出場。順調なスタートを切っていた。しかし3月24日の練習中に右膝前十字靭帯を損傷。全治8か月と診断された。「当初は最終戦ももしかしたら間に合わないと言われていた」。それでも今季中の復帰を信じて懸命のリハビリを続けると、予想よりも早く、ピッチに戻ることが出来た。

 復帰試合がNACK5スタジアムだったことにも縁を感じている。さいたま市出身の菊地はジュニアユース時代を大宮アルディージャの下部組織で過ごしている。「前座の試合が僕の少年時代のチームだった。友達もたくさん来ていたので、よかったです」。

 ただその復帰試合は、奇しくもチームの3季ぶりのJ2降格が決まる試合になってしまった。終始、涙をこらえきれずにいた菊地は「今年は副キャプテンを任されていたのですごく責任を感じている。アウェーの試合でしたけど、いつも以上に湘南サポーターの声は聞こえていた。結果を出せなかったのは申し訳ないですけど、終わったあと拍手で迎えてくれたので、必ず恩返ししたい」とリベンジを誓っていた。

(取材・文 児玉幸洋)
●[J1]第2ステージ第15節 スコア速報

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