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「NIKE MOST WANTED」“日本代表”は元柏U-18MF白川恵士朗と東海大MF西尾翼!!イギリスでのグローバルファイナルへ!!

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“日本代表”として世界に挑戦するMF白川恵士朗(左)とMF西尾翼(右)

 “日本代表”は、MF白川恵士朗とMF西尾翼に決定! スカウトプロジェクト「NIKE MOST WANTED」の「ジャパンファイナル」が23日に閉幕し、柏U-18出身で現在は未所属の白川、東海大の西尾(1年=水戸啓明高)が選出された。2選手は11月25日〜28日にイングランドのセント・ジョージ・ズパークで行われる「グローバルファイナル」に参戦、「NIKE ACADEMY」入りを目指す。

 初日に60人から26人に選考されて迎えた最終日。昨日とは一転して、埼玉スタジアム2002は朝9時から晴天に恵まれた。選手たちは着替えを済ませてミニゲームで体を動かすと、芝の第3グラウンドへと移動し、いよいよ11対11の試合を行うこととなった。

 1本目の30分のゲームでは、AチームのゴールマウスにはGK櫻井康佑(城西大)が入り、4バックは右からDF宮里侑希(久御山高)、MF森下頼登(東海大)、DF佐々木駿(東海大高輪台高)、DF大迫暁(日体大)。逆三角形の中盤はアンカーにMF國塩宙樹(久御山高)、インサイドハーフはMF吉原航(日大豊山高)とMF畑雄太(横浜猛蹴)が並び、3トップはFW辻ヶ堂稜(実践学園)を頂点に、左にFW岡村晏登(東京農大)、右にFW池田啓佑(前橋育英高)という配置に。

 一方のBチームは、GK岸大誠(山梨学院大)がミニゲーム中に負傷したためGKにはスタッフが入り、3バックは右からDF松岡耕生(京都教育大)、DF新井雄大(拓殖大)、DF北村星伍(鎌倉学園)。ダブルボランチは西尾とMF佐方優斗(正則学園)が入り、右ワイドにMF武田健太郎(東大和高)、左ワイドにDF山川義嗣(拓殖大)。2シャドーはMF菊谷篤資(江戸川大)、FW五百藏準(山梨学院大)、CFはFW加賀寛也(拓殖大)が務めた。

 ウォーミングアップ時は声を出している選手はほとんど見られなかったが、いざ実戦となるとピッチではチームメイトへの指示が行き交った。中でも強い存在感を放っていたのが、ボランチに入った西尾だった。守備時には鋭い読みと球際の強さでボールを奪い取り、攻撃に転じれば的確にボールをさばき、ときにはゴール前まで顔を出すなど、攻守にわたって躍動。3本ともフル出場し「ボックストゥボックスでハードワークしていた」とコーチからも好評価を得た。味方への指示も誰よりも的確で、急造チームの要となっていた。

 すっかりボランチが板についていた西尾だが、本職はトップ下のためボランチは「はじめて」。試合前の整列時にたまたま一番前にいたため、キャプテンマークをつけることになったが「小学校、中学校ではキャプテンをやっていた」ということもあり、ピッチ上の監督然とした振る舞いも目についた。

「プロになりたい」という想いを叶えるため、「NIKE MOST WANTED」を受けることにしたという西尾。同級生の活躍も契機となっている。今季、鹿島アントラーズのユースからトップに昇格した、DF町田浩樹、MF田中稔也、MF平戸太貴、FW垣田裕暉とは選抜チームでチームメイトだった。身近な存在だった彼らがプロになったことで「すごい」という想いとともに「自分も」と決意を強めたという。町田らと同じ東京五輪世代の西尾は、「出たいです!」と東京五輪代表入りも気色ばんだ。

 1本目の途中からAチームの右ウイングに入った白川は、正確なボールコントロールでボールをおさめると、逆サイドへの大きな展開をはかったり、中央へカットインをしてからシュートを放つなど、技術の高さが目立った。そのプレーは同じレフティーである日本代表の4番を想起させた。それでも、選考前には「全然ダメでした」と苦笑いを浮かべるほど、自身のプレーにはまったく手応えがなかったと語っていたが、見事に“日本代表”の座を射止めた。

「名前を呼ばれたときは本当に驚いて……」と白川が戸惑いを隠せなかった背景には、コンディションの問題があった。背番号10を背負っていた柏U-18を経て、今春から流通経済大に進学したが、サッカーのスタイルの違いから退学することを決意。現在は無所属の状態で、「兄貴とボールを蹴るくらい」のトレーニングしかしていないため「とにかくコンディションが悪かった」という。1か月後に控える「グローバルファイナル」に向けては「とにかくコンディションがよくないので上げたい。めったにないチャンスなので、つぎはないという覚悟で」と気合いを込めていた。

 ”日本代表”の選考にあたっては「TIPS(ディップス)」があるかどうかを判断していたと小島直人コーチは明かす。すなわち、T=テクニック、I=インテリジェンス、P=ポジショニング、S=ストレングスだ。選考を務めたコーチ陣の一人であるエドゥワルド・オリベイラコーチは、「NIKE ACADEMY」のコーチを務めるほか、ブラジルサッカー連盟にも所属しており、世界をよく知る人物だ。白川については「1人で何かをできる、生まれ持ったセンスがある。前線にいいパスを供給できるし、スッと相手をかわすこともできる」、西尾のことは「プレーの強度をずっと高く続けられた。ずっと動き回っていられるのは強さ。ゲームの状況判断がよかった」と評した。

「(日本は)いい育成ができていると思います。特に日本の選手のボール扱いは印象深いです。ボールを保持するゲームの作り方が特長だと思います。そういったものを武器にして、サッカーを楽しむこと、上手くなっていくことを期待しています」。エドゥワルドコーチはそう総括し、2日にわたって行われた「NIKE MOST WANTED」の「ジャパンファイナル」は幕を閉じた。

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(取材・文 奥山典幸)

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