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伝説のGKが語るブッフォンとドンナルンマ…2人の今とこれから

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ジャンルイジ・ドンナルンマ(左)とジャンルイジ・ブッフォン

 名選手、レジェンド、神様……。好きな呼び方を選んでくれて構わない。称賛を意味する言葉なら、どれも彼に当てはまる。

 ディノ・ゾフはフットボールの歴史に名を残した世界レベルのGKだ。ゴールポストとクロスバーの間を守る最後の砦として、偉大なキャリアを築いた。ゴードン・バンクス、レフ・ヤシン、ピーター・シュマイケルにオリバー・カーン、そしてマヌエル・ノイアーが加わった「歴代最高守護神候補」の一人である。

 そんな伝説のGKが、母国のイタリアを代表する2人の守護神について語ってくれた。一人は、こちらも歴代最高の守護神候補に入るジャンルイジ・ブッフォン、もう一人はこれからそのリストに名を連ねていくことになるかもしれないジャンルイジ・ドンナルンマだ。

 ゾフは“彼以降のイタリア”を支えてきた生ける伝説と、“これからのイタリア”を背負う若武者を、どう見ているのだろうか?

――まずはブッフォンについて聞かせてください。今シーズンは不用意なミスが続いて批判を受けることもありますが、現状をどう見ていますか?

 それもサッカーの一部だろう。だがリスペクトを忘れてはいけない。建設的な批判なら厳しくても歓迎すべきだし、そうでないものは必要ないと思う。ユヴェントスやイタリア代表のキーパーである限り、細かい所まで観察されるのは当然だ。

 ただし、私の時代に比べて、今の批判はいいかげんで薄っぺらいものだよ。当時は十字架にかけられるかのように酷く厳しいものだった。

――本人は反論するような発言をしていますね。

 それぞれの性格があるから、自分が感じたことを表現したまでだろう。おそらくブッフォンはあまりのショックにこんな態度をとったのではないかな。

 それでもピッチでは現在も世界屈指のGKであることを証明している。これは私の意見だが、フットボーラーならば、言葉ではなくピッチで答える方がいい。

――ではドンナルンマについてはどうでしょう? 驚異の17歳は、ミランの正GKとして活躍しています。

 彼はすぐにその才能の片りんを見せた。年齢はまだ若いが本当に素晴らしい。ミランのような有力クラブで若手選手がプレーしているのを見るのはいいね。確かに驚きではあるが、それは同時に本物であるということだろう。

――イタリア代表のジャンピエロ・ベントゥーラ監督は彼について「次世代のブッフォン」と称していますが、あなたの考えは?

 大方、賛成する。才能は素晴らしい。しかし、まだ若い。若者が成長していく過程は、常に慎重に見守っていくべきだ。ドンナルンマは体格、技術、メンタル面が優れている。彼がブッフォンの後継者になれるかどうかは彼自身にかかっている。とにかく学び続けることだ。

――――――
 両者は22日に行われたセリエAのユベントスミラン戦で顔を合わせた。試合ではドンナルンマがユベントスの決定機をことごとく防ぎ、クリーンシートを達成。1-0でミランの勝利に貢献した。

 この試合だけ見て「ドンナルンマがブッフォンに引導を渡した」と表現するのはあまりにも安直過ぎる。しかしながら、偉大な先人がいて、その系譜を受け継げるかもしれない若者が現れたという事実は素直に歓迎すべきだろう。2人はカルチョとアッズーリの今とこれからを明るく照らしていくはずだ。

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