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[MOM1926]遠野MF浅沼海斗(3年)_先制アシストなど攻撃牽引、託されたキャプテンマークを持ち主に繋ぐ

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.26 全国高校選手権岩手県予選準決勝 盛岡市立高 0-3 遠野高 いわぎんスタジアムB]

 前半、岩手4連覇を狙う遠野高はなかなかチャンスを活かすことができていかなった。4分にFW佐々木琢光(3年)が放った右足シュートは枠を外れ、13分にスルーパスで右サイドを抜け出したMF浅沼海斗(3年)の折り返しにFW阿部亮太(2年)が飛び込んだシーンはGKに距離を詰められてしまう。攻めながらもなかなか1点を奪うことが出来ず、ややリズムも崩している中で迎えた38分、遠野はこの日キャプテンマークを巻いた浅沼とエースFW佐々木琢のコンビネーションで先制点を奪った。

 右中間でボールを持った浅沼がDFのマークを外した佐々木琢へスルーパス。完全に抜け出した佐々木琢がGKとの1対1を制して先制ゴールを奪った。浅沼が「琢光があそこではプル・アウェーという動きで自分のパスコースを引き出してくれた。琢光のおかげであそこに出せたと思います」と語れば、佐々木琢も「浅沼君から裏へ良いパスが出てきたので流し込むだけでした」と浅沼を賞賛。昨年、全国を経験している2人のホットラインで遠野が貴重な先制点を奪った。

 中でも、カットインからのシュートや逆サイドの選手へのラストパスを出すことができる浅沼はチャンスメーカーとして存在感を放った。レアル・マドリーのMFイスコが憧れの選手だという浅沼は左足キックに特長を持ち、スルーパスでの先制アシストに加えて後半21分の2点目も浅沼の左足FKが起点。本人は左足のプレースキックに自信を持っているが、そのドリブル突破も試合を通じて盛岡市立高を苦しめていた。

 この日、浅沼は足首の負傷で欠場したMF千田夏寅主将(3年)に代わってキャプテンマークを巻いてプレー。試合前に千田からは「『チームがダメな状況になってもオマエが崩れたらチームが崩れるから、キャプテンらしく堂々と、劣勢に立っても焦らないでやれ』と声をかけられました」という。前半は個人プレーが増えてしまい、リズムの良くなかった遠野だが、シュートも打てるシーンで味方を上手く活用した浅沼のアシストから先制点。流れを変えた遠野は後半、シュート数11対1と圧倒して勝利した。浅沼も「チームが悪い時に声かけて流れを引き寄せることが出来たと思います」。自分の役割を果たし、決勝で復帰予定の千田にしっかりとキャプテンマークを繋ぐことができた。

 遠野は昨年度の全国大会1回戦で東福岡高と対戦。0-3で敗れている。その試合、負傷交代した千田に代わって出場した浅沼は「相手が夏の王者だったのでそれに負けないようにという気持ちでやったけれど、相手はプレッシャーも速くて上手くできたかというとできなかったので、リベンジの気持ちでやってきました」。その成果を全国で発揮するためにも決勝では負けるわけにはいかない。

(取材・文 吉田太郎)
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