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データから見る「NB CHAMPIONSHIP U-13」ファイナル、シュート精度の高さがFC LAVIDA優勝の要因に

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前半7分にFW栃久保海汰が決めた先制点などFC LAVIDAのシュート精度の高さが決勝で差をつける要因に

 Jクラブ育成組織や中体連、街クラブの強豪24チームが優勝を争った“全国大会級”の新設U-13大会、「newbalance CHAMPIONSHIP U-13/2016」が7月23日から7月25日まで開催され、決勝で鹿島アントラーズつくばジュニアユース(茨城)を2-0で破ったFC LAVIDA(埼玉)が初代王者に輝いた。

 この決勝戦をJ1・J2・J3リーグ全試合や日本代表などのデータ取得・分析・提供でお馴染みのデータスタジアム株式会社が分析。10月中旬にFC LAVIDAの村松明人監督や系列チームである昌平高の藤島崇之監督らを交えて説明会が行われた。

 決勝戦は前半7分にMF須賀葵のラストパスからFW栃久保海汰が決めてFC LAVIDAが先制。FC LAVIDAはさらに17分にもMF島村隆汰がループ気味に出したラストパスが相手GKの判断ミスを誘って加点し、優位な状況に立った。
 
 データによるとその後反撃する時間の長かった鹿島アントラーズつくばジュニアユースの方が全体的なプレーゾーンは高め。特にTackle Line(タックルライン)は10mほど鹿島アントラーズつくばジュニアユースの方が高く、クロスの本数も12対1と圧倒していた。またシュート数も12対6と大きくFC LAVIDAを上回っている。

 それでもFC LAVIDAが勝った要因となったのはシュート精度の高さ。村松監督が「この大会で成長してくれた」と評した栃久保、島村、そして須賀の放った各2本のシュートは全てが枠を捉えていた。一方の鹿島アントラーズつくばジュニアユースは12本中7本が枠外。相手GKを脅かすシーンを増やすことができなかったのに対し、FC LAVIDAの正確なシュートが差を生み出したと言えるだろう。

 鹿島アントラーズつくばジュニアユースはCB森山駿が空中戦で4戦4勝と強さを発揮。そして前半途中に投入された右SB山口諒真がひとりで4回PAへ侵入し、両チーム最多となる5本のクロスを上げ、うち4本を味方に通していた。だが、FC LAVIDAはともにクリアの本数が両チーム最多の5本だったCB八木大翔とCB岡崎爽多中心に相手に攻撃を跳ね返している。

 村松監督がチェックしていたのはドリブル回数について。FC LAVIDAの14回に対し、鹿島アントラーズつくばジュニアユースは16回だった。FC LAVIDAは終盤、MF井野文太や島村が効果的なドリブルを繰り返し、ファウルを誘っていた印象で村松監督も「ウチの方がドリブルは多かったと思っていた」と語ったが、数値に差は表れず。一方で指揮官はJクラブの育成組織に対してほぼ互角だったボール支配率について、それほど差がなく戦えたことを数値から実感していた。

 データから見ると、FC LAVIDAは後方でのパスが多く、やや後ろ寄りの重心となった試合に。それでも「我慢していたという印象はない。自分たちはボールを下げないところでやっている。安全、安全に取られなきゃ良いだけにはこの年代はしたらダメだと思う。下げなくても数値を上げることはできる。もっと良くできると思います」と語る村松監督は数値にも表れるように、今後はより後方へのパスを減らしていく方針だ。そして「フィニッシュとか、フィニッシュのちょっと前のところなどはもっと(トレーニングから)やらないとダメなのかなと思います」。手に入れた数値を今後への刺激に。埼玉県の無名の街クラブであるFC LAVIDAがJクラブ勢4チームに勝利して優勝を果たしたが、データから見えたポイントを今後のさらなる強化に活かす。

(取材・文 吉田太郎)


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