beacon

[選手権予選]前橋育英救ったGK月田のビッグセーブ、仲間たちの「顔とかも浮かんできて、止めてやろうと」:群馬

このエントリーをはてなブックマークに追加

前橋育英高のGK月田啓がビッグセーブでチームを救った

[10.30 全国高校選手権群馬県予選準決勝 前橋育英高 2-1(延長)高崎経済大附高 敷島公園サッカー・ラグビー場]

 1-1に追いつかれて迎えた後半23分、前橋育英高は白星が遠のいてしまうようなシーンがあった。中盤からのスルーパスによって高崎経済大附高のタフなストライカー、FW坂本海京(3年)に抜け出されるピンチ。だが、「出れないメンバーとか、ベンチに入れていないメンバーとかの顔とかも浮かんできて、止めてやろうと思いました」というGK月田啓(3年)が距離を詰めて相手のシュートを身体に当てるスーパーセーブ。相手に渡しかけていた流れをこのビッグプレーで阻止した前橋育英は、延長戦前半の決勝点によって決勝へのチケットを掴み取った。

 14年国体群馬県選抜メンバーの月田は今年、まさかの初戦敗退した総体予選後に先発を獲得。当初はライバルの怪我もあっての起用だったが、「出れない時期は悔しい面もあったんですけど、積み上げていけば何かあるかなと思って頑張っていました」というGKはプリンスリーグ関東で勝利に貢献したことなどによって信頼を高めて先発に定着した。

 この日は得意であるハイボールを安定したキャッチングで処理。そして前後半にあった、DFライン背後を突かれたシーンで見事にピンチを切り抜けてチームを救った。セットプレーで1失点こそしたものの、本人も後半23分のビッグセーブについては納得の表情。「自分のあれで流れ変わって、追加点が取れたのが良かったですね」と微笑んだ。

 決勝では自分たちが出場を逃した全国総体で16強入りしている前橋商高との決戦。「前商もセットプレーとかロングボールで中入れてくるとか多いと思うので、自分が出れるボールは出て、止めるところは止めて、流れを自分たちに引き寄せられたらいい。インハイで負けていて自分たちは先輩たちのように、全国の舞台とか経験していない。これからのサッカー人生を繋げていくために絶対に全国出て、活躍して、優勝したいなと思います」。2年生の4バックを後方から支える3年生守護神が、決勝でもゴールを守り抜く。 

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2016

TOP