beacon

「チョウさんに電話します」新潟DF大野は古巣・湘南の“アシスト”に感謝

このエントリーをはてなブックマークに追加

負傷明けの新潟DF大野和成は後半41分から途中出場した

[11.3 J1第2ステージ第17節 新潟0-1広島 デンカS]

 最後の最後に力になれた。アルビレックス新潟は0-1の後半41分、最後の交代枠を使ってMF加藤大に代えて負傷明けのDF大野和成を投入。残留を争っている名古屋が1-3でリードを許しており、“このまま試合を終わらせろ”というベンチからのメッセージでもあった。

 ピッチ上の選手は名古屋の途中経過を知らずにいたが、ベンチにいた大野は「途中から入るとき、(名古屋の)途中経過はなんとなく知っていた」と話す。「監督からは『頼むぞ』と。試合を締めること、これ以上失点しないことを意識した」。新潟、名古屋がともに敗戦なら、得失点差で新潟が有利。名古屋の敗戦が濃厚となる中、0-1なら良しとした。

「大事なときにケガをして、試合を上から見ていて悔しい思いをしていた。全然勝てなくて、監督も替わって、責任を感じていた」。大野自身、特別な思いがあった。チームが残留争いに巻き込まれる中、8月27日の鳥栖戦(0-1)で右膝内側側副靭帯を損傷。その後の6試合を欠場し、この日が7試合ぶりのベンチ入りだった。

「(コンディションは)完全ではなかったけど、少しでもチームの力になれればと思っていた。(リハビリを)がんばってきて良かった」。監督に与えられた“ミッション”どおり、追加点を許さず、0-1でタイムアップ。名古屋がそのまま湘南に1-3で敗れたため、名古屋の降格と新潟の残留が決まった。

 大野は12、13年の2シーズン、新潟からの期限付き移籍で湘南に在籍。すでにJ2降格の決まっていた古巣の“アシスト”でJ1残留を果たし、「チョウさんに電話します」と、当時から湘南で指揮を執るチョウ・キジェ監督の名前を口にし、安堵の笑みを浮かべていた。

(取材・文 西山紘平)

●[J1]第2ステージ第17節 スコア速報

TOP