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[関東]昨季王者・早稲田大、12年ぶりの2部降格決定…2-0から桐蔭横浜大に3失点敗戦

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早稲田大の2部降格が決まった

[11.5 関東大学リーグ第21節 桐蔭横浜大3-2早稲田大 BMWス]

 関東大学リーグ第21節が5日に各地で行われた。残留争いの大一番。降格圏の11位に沈む早稲田大は残留圏の10位・桐蔭横浜大に2-3の逆転負けを喫し、2部降格が決まった。前半に2点を奪ったものの、後半に3失点しての敗戦。泥沼の7連敗で12年ぶりの降格となってしまった。

 苦境に立たされている昨季王者の早稲田大。現在は6連敗中で7試合勝ちのない状況。ここ3試合連続で降格圏の11位に沈んでいる。この日の対戦相手は、勝ち点2差の10位・桐蔭横浜大。今季2試合を残した状況で残留争いの大一番を迎えた。 

 10月末に行われていたAFC U-19選手権でアジア制覇したU-19日本代表の守護神・小島亨介(2年=名古屋U18)はこれまで通りにメンバー外。今季開幕からゴールマウスを守るGK後藤雅明(4年=國學院久我山高)が先発し、第2GKとしては岸浪卓志(4年=早稲田実高)がベンチ入りした。また10番を背負うFW山内寛史(4年=國學院久我山高)は累積警告による出場停止だった。

 負ければ降格の決まる早稲田が先にチャンスを迎える。前半4分、右サイドから持ち込んだMF相馬勇紀(2年=三菱養和SCユース)がシュートを放つ。GK田中雄大(3年=青森山田高)が前へ弾いたボールをMF秋山陽介(3年=流通経済大柏高)が拾い、詰めたDF新井純平(4年=浦和ユース)がシュートを打つも、ゴール前のDF眞鍋旭輝(1年=大津高)に弾かれた。

 対する桐蔭横浜大は、中盤でボールを失うシーンが目立ち、バイタルエリアまで入れない。MF今関耕平(4年=千葉U-18)が相手2枚をかわし、ドリブルで持ち込む場面もあったがシュートは打てなかった。GK田中のミスも続き、攻撃のスイッチを入れられず。時間は過ぎていった。

 すると前半31分に試合は動く。中央でボールキープしたMF鈴木裕也(3年=武南高)が右サイドへパス。受けたMF相馬勇紀(2年=三菱養和SCユース)がドリブルで仕掛け、マイナス気味にクロス。ゴール前正面の小林がシュートを決めた。1-0と早稲田大が先制に成功した。

 勢いに乗った早稲田大は前半39分に追加点。小林のパスを受けたFW中山雄希(4年=大宮ユース)がPA手前から圧巻のシュートを突き刺し、2-0と差を広げる。前半をそのまま折り返した。

 今季序盤戦では三度も首位に立ち、夏の総理大臣杯では全国4強入りも果たした桐蔭横浜大。しかし後期リーグでは6戦勝ちなし(2分4敗)となり、ずるずると順位を下げてしまった。第17節で降格圏の11位へ転落後、なんとか直近3試合では1勝2分と負けておらず、10位をキープ。この日の早稲田大戦で勝利すれば、残留は決まる。しかし早々と2失点。苦しい展開となった。

 それでも後半開始13分間で一気に2点を奪い、試合を振り出しに戻した。まずは後半2分、右サイドから仕掛けた今関のシュートはGK後藤に弾かれたが、ゴール前左へこぼれたボールに詰めたのはルーキーMF杉山雄太(1年=札幌U-18)。ボールを押し込み、ネットを揺らした。1-2に詰め寄る。

 さらに後半13分、FW鈴木国友(3年=相洋高)の左クロスから今関がヘディングシュート。今関が2得点に絡む活躍をみせ、一気に2-2と試合を振り出しに戻した。攻勢を強める桐蔭横浜大はクロスを入れてはチャンスメイク。早稲田大を押し込んでいく。

 後半16分、桐蔭横浜大はMF佐々木俊輝(4年=厚木北高)に代わり、DF池田壮磨(3年=前橋育英高)を投入した。するとこの采配が的中。後半23分、池田を起点にMF浅沼大和(3年=清水ユース)の右クロスから鈴木がゴールネットを揺らす。0-2のビハインドを跳ね除け、3-2と逆転することに成功した。

 早稲田大は同21分に鈴木に代えて、MF今来俊介(3年=桐光学園高)。同29分には中山に代わり、FW武颯(3年=横浜FMユース)を投入する。なんとか流れを変えるべく、交代カードを切った。その後は前線で武が身体を張り、ゴールを狙うも相手守備も粘りをみせ、追加点は奪えない。

 後半41分に早稲田大はMF平澤俊輔(4年=JFAアカデミー福島U18)に代わり、MF石川大貴(3年=名古屋U18)を投入。同42分に桐蔭横浜大はFW浅川隼人(3年=八千代高)に代えて、FW菅原圭介(2年=ふじみ野高)を入れる。

 負ければ降格の早稲田大。ベンチの仲間が総立ちで声を枯らし、スタンドは応援歌を止めることなく歌い続ける。3分間のアディショナルタイムで相手PA内で粘るシーンもあったが、3点目は遠く。桐蔭横浜大が0-2から3-2の逆転勝利を飾った。

 この結果により、今季1試合を残して、10位以上と勝ち点5差に開いたため、早稲田大の2部降格が決定。2部優勝した2005シーズン以来となる2部行きが決まってしまった。勝ち点25に伸ばした桐蔭横浜大は、あす行われる試合で勝ち点20の国士舘大が引き分け以下だった場合に、1部残留が決まる。

(取材・文 片岡涼)

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