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“結構緊張した”J最年少デビュー戦…久保建英、自己採点は「20点とか15点」

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15歳5か月1日でJデビューを飾ったFW久保建英

[11.5 J3第28節 F東23 1-2 長野 駒沢]

 無限の可能性を秘めた15歳の新たな物語の幕が上がった――。7653人が詰め掛けた駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場。注目を一身に集めた男は後半開始からピッチへと送り込まれ、Jリーグ最年少出場記録を更新した(15歳5か月1日)。後半開始直前にピッチ脇にFC東京U-23FW久保建英が向かうと、スタジアムが大歓声に包まれる。「グラウンドに入るまでは結構緊張していた」久保だったが、ピッチに足を踏み入れて後半開始のホイッスルが吹かれると、「緊張もなくなって体はいつもどおりに動いた」。

 3-4-2-1のシャドーの位置にポジションを取ると、細かく動き直して年上の選手を相手にボールを要求するが、なかなかパスを呼び込めない。「パススピードや展開が速くて最初は前線ついていけなかったし、何もできずに時間がただただ過ぎてしまった」とこれまで体感したことのないスピードにやや戸惑っていたものの、徐々にボールに絡む回数を増やしていく。

 久保がボールに触れるたびに大きな歓声が起こる。その期待に応えるように、キレのあるプレーを披露。後半33分には前を向いてボールを受けると鋭いスルーパスを供給し、同37分には左サイドから得意のドリブルでPA内に進入して相手DFをかわしグラウンダーのクロスを送るなど、得点にこそ結び付かなかったが好機を演出しようと奮闘した。

 だが得点につながらなかったからこそ、「(後半33分の場面では)周りを見ることも自分の特長だと思っているけど、あまり周囲を確認できず、チームメイトから『こっちも空いてたよ』と言われましたし、(同37分の場面では)抜いたのはいいですが、足下が詰まって変なクロスになってしまった」と反省を口にした。

 この日の自身の出来は「20点とか15点くらい。シュートも打てなかったし、あまり好機にも絡めなかった」と辛口評価。しかし、「15歳でデビューできてうれしかったし、高いレベルを経験できて、どれくらい差があるのかを感じられた。良いプレーもあったので、これからもっと頑張っていきたい」とこの経験を活かしてさらなる成長を遂げようとしている。

 この試合には多くのファン・サポーターだけでなく、多くの報道陣が詰め掛けた。久保は自身が注目されるのは、「サッカー選手になったときに注目されなかったら良くないなと思いますが、今は注目されてうれしいということはないし、あまり注目してほしくない」と笑って答え、今後に向けて「一人で局面を打開できるようなプレーヤーになりたい」と力強く語った。

(取材・文 折戸岳彦)
●[J3]第28節1日目 スコア速報

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